僕は第一興商本社で社長と会った。

「Macさん、このプランは実現できるのですか？」

「はい、できますよ、難しいことではありません」

「・・・・」

社長は考えて言葉を選んでいるようだった。

「実はねぇ、こんなプラン出来る人いないかと話し合っていたところなんだよ」

当時平成３年、地方はコンテナのカラオケボックス全盛の時代。

僕は次のような提案をした。

まず外観をお洒落にする。

インテリアは若い女性をターゲットにし、

これまで白一色だった内装をやめ、多数のバリエーションを用意する。

例えば、一年中クリスマスの部屋、ログハウスの部屋、

モノトーンで統一したモダンな部屋、カントリー、アジアン、

和風・・・・

通路はブラックライトで宇宙空間のような幻想的な感じ。

外観がマリンテーマならロビーはジャングル。

外観がヨーロピアンならばロビーはヨーロッパの街中。

プレゼント企画、イベント企画・・

周辺の店舗もデザインテーマを統一、

一体感で施設を大きく見せる手法、

モルタルかFRPで岩、滝、ワニ・・・

ヤシの木、ソテツ等南国の演出。

カレンダーに書かれた企画はそのようなものだった。




社長は続けた、

「Macさん、このプラン、うちのビッグエコーでやってみてほしいなぁ」




この企画書を８０万円で買ってくれるという。

そして・・

この企画は実行された！

それからというもの、日曜日は群馬県。

仕事の合間で寝る暇も無いとはこのことだ！


（写真は改装したお店、左が改装前、右が改装後）



改装オープンの日はやってきた。

「Macさん、凄いことになっています」

部長から連絡が入った。

売上げは２倍強を記録！

ワンルームあたり(３０万円/月)まで落ち込んでいたお店は生き返り、

６８万円まで伸ばすことができた。

社長は感激していた。

僕も嬉しかった。



アイデアはお金になる！

店舗改装企画は売れる！そう思った！



この時、

店舗企画デザインの（株）グレイス企画を設立する決意を固めた。




《続く》



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