カテゴリ:面白履歴書・小説風
お世話になった部長が僕のところへやってきた。
気配を感じ取ったのか優しい目をしている。 僕は話を切り出した。 「会社を辞めます、ご迷惑をお掛けします」 「そうか・・・ ・・・ 「もう決めたことなんだよな?」 「はい」 「良く考えた結果なんだよな?」 「はい」 ・・・ 「会社ってどうやって作るんだ?」 部長からは意外な言葉を聞くことになった。 「俺は思うんだ、たばこ屋ですら俺には作れないよ」 大手上場企業の部長の言葉にウソは無い。 「会社の作り方も知らないし、仕入れだってどこからするんだ? 小さなお店だってわからないことがあると ”できない”と思ってしまうんだよなぁ」 本音のようだった。 「お前はクレバーだな、マンション、アパート、今度は会社かぁ。 そうやって俺の知らないことをどんどん成していくんだからな」 部長は怒るでもなく、むしろ羨ましいよと言わんばかりだった。 会社を作ることは難しいことではない。 ■発起人(会社を作ろうとする人)を決める ■会社名を決める ■事業目的を決める ■本店の所在地を決める ■事業年度を決める ■会社の役員を決める ■資本金の額・株主 他、会社の印鑑の作成など細かいことがある。 僕の時は会社設立に35万円もかかったが簡単に作ることができた。 知らないことは知っている人に聞けば良いと思っていたので、 困ることは何も無かった。 ある程度の地位まで登りつめてしまうと プライドが邪魔して聞けなくなるのだろう。 部長の言葉というものは多くの人の気持ちなのかもしれない。 知らないことは出来ないだろう! こう言っているわけだ。 大手商社に数年勤めても商社は作れないと聞いたことを思い出した。 大手流通業にいても商売はできないと言っているようなものだが、 会社というところは、 営業職、事務、仕入れ、販売、開発、経営など全てやらせてはくれない。 1社で経験できることは全てでは無い! 年をとると慎重にもなる。 独立が簡単ではないと思ってしまうのだろう。 《続く》 ← U^ェ^U ぽち ← ▼・。・▼ ポチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/06 11:40:26 PM
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