カテゴリ:面白履歴書・小説風
「久しぶり、Macさん覚えていますか?」
時はガラガラとバブル崩壊中。 平成5年。 「いやぁ、設計会社が潰れてるねぇ、建築会社もねぇ、 大丈夫と思った会社が潰れちゃうんだよな」 昨年に営業に行ったお客さんからの電話だった。 どうやら頼んだ会社が打合せの最中、倒産したらしい。 大きくやっているところは皆、危なかった。 電話は第一興商以外の初仕事になった。 電話はぽつり、ぽつりと入った。 一年近く前に会った人から数本入った。 「あんたのことは忘れられなかったよ」 「印象的だったよ」 やはり、種まきは大切だと思った。 そして諦めないこと、 改善することも大切だった。 設計士も持っていない! インテリアコーディネイターも無い! そんなことは関係無かった。 2年目の終わりころには案件は急速に増えた。 それでも最初に会うと 「どこのどいつだ?」 「事務所はどこ?」 「借りてるの?」こう言われ続けていた。 最初に入ったお金でポルシェ911カレラ4の中古を買った。 これには確信があった! 信用というものは見せ方も大切だ! こう感じていたからだ。 「ポルシェで営業なんてやめな」 「外車で営業に行くなんて非常識だよ」 こんなアドバイスをする人ばかりだった。 こう言う人は皆、痛い目にあったことの無い人かな? 親や同級生、親戚、知人がいて、 どこかに知り合いの成功者もいる。 皆「信用」は適当にはあるものだ。 僕のように親も親戚も同級生もいないこの土地で、 僕の苦労を知る人は皆無だった。 営業車はポルシェ! どんな反応になるのかな? ポルシェに乗り換えたことは、 噂となっていた! ”東京から群馬にやってきて成功しつつある人!” こんな言われ方だった。 興味を引いたのは間違いない! 「あんたどこのどいつだ?」 「事務所はどこ?」 このように言われることが全く無くなった! 「文真堂の開発です、SEGAとの複合店、3000坪を計画しているのですが」 「セガ?さんとの複合店ですか?」 「実はビッグエコーさんの企画をMacさんのところがやったと聞いたものですから」 文真堂書店だ! 地元群馬で最大の本屋チェーン店からだ! 群馬ではセガの企画なんて取れるわけがない! うちが担当者におみやげを持っていっても取れなかったんだ、 2年目のMacさんが頑張ったってセガはとれないよ! 設計会社や建築の関係者からはこう言われた。 プレゼンの結果、3000坪の開発計画に参加することとなった。 オープンの結果は大成功! 「ゲームセンターなんて町の不良が集まるところ」 それが一般的な見方だ! 完全に覆した。 この複合店はアメリカカリフォルニアからも取材が入った。 SEGAとビッグエコーの両社を企画した会社としても取材だという。 商工リサーチ発行の 「ぐんま経済ガイドブック」の表紙を飾った。 群馬テレビの取材も受けた。 再度群馬テレビより7分間の生中継出演依頼も受けた。 バブル崩壊後の商業施設集客について講演依頼もあった。 「有線(USEN)です、カラオケゆー坊(現ビーエムビー・アクシス) の企画で打ち合わせさせてください」 「タイトーです、全国のタイトーゲームセンターの企画コンペに参加して頂けますか?」 「ステーキ宮です、アミューズメントの企画をお願いしたいのですが」 続々と相談の電話だ! 《続く》 ← U^ェ^U ぽち ← ▼・。・▼ ポチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/06 04:15:04 PM
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