カテゴリ:面白履歴書・小説風
出店しそうな会社へFAXを送り続けた。
初めて問い合わせがあった。 携帯ショップだった。 補正下着のメーカーからも、 人材派遣の会社からも、 担当者がやってきた。 場所は駅前の一等地、見てもらえば自信はあった。 しかし、 いずれの会社も 「今年でなければ出店した」というのだ。 企業はこぞってリストラを進めている時期だった。 人も店舗も非効率なものはどんどん切り捨てる時代。 他も数社問い合わせはあったが決まらなかった。 ビルの取得税、ローン、電気代、固定資産税、 他で稼いだお金はザルのように流れていく。 4ヶ月が経過したところだが素早い決断を迫られていた。 経費のかかるものは削減しよう。 ローンも半年ほど金利だけの支払いにしてもらおう。 ビルに誰も入居してくれないのなら、 自分で新規事業を始めてみよう! このビルを買う時、 銀行と相談したことを早くも実行することになろうとは・・ それは・・ 万が一「一社も入居が無い時」の対処だった。 銀行も家賃相場から3割も下げれば埋まるだろうと予想していたのだ。 プロでも見誤った。 そんな時でもあった。 万が一の時に始める事業・・ まずは塾だった。 椅子と机と看板。 これだけ用意すればよい。 他の事業に比べると初期投資が少ない。 次にパソコン教室! これは僕が講師をすれば良い。 次にインターネットカフェ! 今のように漫画もリラクゼーションも無い! インターネットがあるだけだ。 どんどんオープンさせた。 塾だけは管理者を雇い入れた。 さらなる投資をした上、 社員の給料も加わりビルの一月の出費は100万ほどにもなった。 フェラーリなど贅沢品も売却することにした。 これには周りは驚いているようだった。 「新しい車を探している」 そう言ってウソの情報を流したせいもあり、 悪い噂は流れなかった。 しかし・・ 《続く》 ←続きを見たいに一票 ← U^ェ^U ぽち お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/06 04:09:04 PM
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