17日東京外為市場の円相場は当局の介入第二弾への警戒感が根強く、本来であれば介入に立ち向かうべく円高再燃を仕掛けるはずのヘッジファンドが円見切り売りに転じ、昼前、85.60円水準から85.90円前後へとドル/円が急騰した。「よもや介入第二弾か」と思われたが、この円急落、「実は欧州系金融機関の旗艦ヘッジファンドの円見切り売りだった」(あるファンド幹部)。ファンドは通常、介入に怯えるどころかむしろ立ち向かってリスクを取る傾向にある。ところが、今回は日本の通貨当局の6年ぶり円売り介入があまりに意表を突いたタイミングで実施され、かつレベル的にも実に巧妙な介入となってヘッジファンドも脱帽したという。日銀が17日、資金吸収オペを見送り15日の抜き打ち円売り・ドル買い介入で生じた円資金を市場に放置する「非不胎化」、政府と日銀の協調が演出されたことも円安を促した。17日の日銀当座預金増減要因(予想)によると、2兆2600億円の資金余剰となって介入規模は1兆7000-8000億円程度と推測される。日銀はこの介入資金を吸収せず、そのまま金融市場に放置することで追加資金供給の擬似「量的緩和」とした。つまり、円売り介入を触媒とした政府と日銀の協調によるデフレ脱却への追加緩和との理解である。ただ、介入が第一弾の一度限りなら当座預金残高は増えず、量的緩和効果は限られる。15日以降の介入第二弾は観測されておらず、市場は菅改造内閣のデフレ脱却への姿勢を睨みながら介入第二弾の帰趨に目を凝らしつつある。
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Last updated
2010.09.17 18:24:10
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