27日東京外為市場の円相場は米国株高や世界経済の減速懸念緩和に伴う円売りと輸出企業の9月決算期末を控えて円買い・ドル売りが錯綜する中、84円台前半で円がジリ高展開を辿った。輸出企業のドル売りレベルは日本政府が円売り介入に踏み切った15日以降暫くは86.20円水準と86円台への円安を期待して輸出予約のラグズ(後ズレ)姿勢でいたが、米FRB議長の追加緩和示唆がドルの重石となりここに来て輸出企業のドル売り・円買いレベルが85円台前半へと円高方向に修正されつつあるという。一方で21日時点のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の通貨先物市場の投機筋(非商業部門)の円(対ドル)買越幅が2万3100枚と前の週に比べて半減した。投機筋の円ロングが大幅に縮小したことで円買い・ドル売りを仕掛けやすくなった。先週24日の介入観測は噂に過ぎず、白川日銀総裁の辞任観測を受けたモデル系ファンド筋による大口のドル買いだった。白川日銀総裁は、量的緩和への回帰に否定的な見解を表明しているため、「総裁辞任なら量的緩和への回帰の障壁が無くなる」と期待されてファンドは円売りに傾斜した。しかし、米FRBが追加の量的緩和を示唆している以上、日銀が追加緩和に舵を切らねば折角の介入警戒感は色褪せよう。今年3月期末決算時のドル/円は93円水準であり、政府・日銀は85-90円レンジへ円安を促す上でも日銀の量的緩和への回帰が必要と指摘される。
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Last updated
2010.09.27 18:04:20
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