10月1日召集の臨時国会で菅首相を待ち受けるのは、尖閣諸島の漁船衝突事件における「検察外交」糾弾、悪化した日中関係修復、米軍普天間基地問題、4.6兆円の補正予算など難題山積の「ねじれ国会」だけでなく、天王山は「デフレ脱却議連」(松原仁会長)という小沢グループ別働隊を身内に抱えて「日銀法改正」辞さずの野党提出「デフレ脱却法案」に先回りした政府・財務省主導の円高阻止・デフレ脱却へ向けた日銀「量的緩和」回帰への包囲網強化である。
ある政府筋は、「6年半ぶり単独円売り介入による財務省主導のステルス量的緩和を突破口として菅政権は円高阻止とデフレ脱却へ向け日銀の量的緩和への回帰を促すべく包囲網を強化しつつある」と打ち明ける。実際、すでに金融政策を巡って政府は日銀と非公式な意見交換を重ねており、10月4-5日開催の政策決定会合での追加緩和の可能性が高まりつつある。
むろん、「政府・財務省が非公式協議で日銀に要請しているのはデフレ脱却への抜本策の検討、つまり量的緩和への回帰に他ならない」(ある政府筋)。これまでも財務省は再三再四、量的緩和への回帰を日銀に求めてきたが、日銀は「量的緩和の景気刺激効果は限定的」とする量的緩和「無効論」を唱えて政策転換に慎重姿勢を続けてきた。もちろん、欧米諸国の一般的な常識では、量的緩和は短期金利がゼロ下限にあっても通貨安や幾つかの経路を通じて経済活動や資産市場などに好影響を及ぼし景気を刺激し得るという解釈が人口に膾炙している。何より政府・財務省は自ら主導した9月15日の6年半ぶり単独円売り介入による円高阻止効果が途切れない内の早期の政策転換を日銀に要請している。
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Last updated
2010.09.28 21:23:36
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