29日東京外為市場の円相場は、対ドル84円から83.50円前後、対ユーロ114.20円前後から113.50円水準へといずれも円高が進んだ。前日発表の米9月コンファレンスボード消費者信頼感指数が市場予想以上に悪化して米景気回復ペースの鈍さが嫌気されて米FRBによる追加緩和期待が強まった。米有力国際金融アドバイザー会社メドレー・レポートが「米FRBは11月2-3日のFOMCで追加量的緩和策を発表する」と顧客に伝えて84.27円から83.68円まで続落、NY市場は83.87円で引けた。東京市場はこの流れを受け米追加緩和期待を背にしたヘッジファンドなど海外投棄筋がドル売りに傾斜し、かつ9月中間決算を控えて一部売り遅れの輸出企業の見切り円買い・ドル売りがドル全面安に拍車をかけた。特に、欧州勢が参加し始めた夕刻にドル売りに拍車が掛かり、ドル/円は一時83.50円前後と政府・日銀が円売り介入を実施した9月15日以来2週間ぶりの円高を付けた。一方、日銀が29日発表した9月調査の短観(9月短観)の大企業製造業・業況判断DIが+8と改善したものの、先行き12月見通しが-1とマイナスに転落して、日銀の追加緩和や政府による円売り介入が正当化されるとの期待から15日の介入が10:30ごろだったことで10:00前に円が売られ84.10円まで円安が進んだが、結局、円売り介入は幻想に終わりドルの失望売りに円がジリ高推移を余儀なくされた。ただ、この日は日経平均がアジア株の上昇を受けて堅調に推移、円高・株高となったことも介入不要論を支援した。当面、日銀の追加緩和と政府の介入警戒感、米追加緩和期待と9月中間決算期末を控えた輸出企業の円買いが綱引きする神経質な展開が続きそうだ。
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Last updated
2010.09.29 18:25:27
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