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2014年08月11日
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カテゴリ:愛すべき芸術作品
痴呆

アルツハイマーとは

アルツハイマー病とは、記憶力・判断能力・思考の過程に生じた問題によって、人が働いたり
社会生活や家族に参加することが困難となる病気です。現在の時点ではアルツハイマー病に対
する治療法はありませんが、徘徊や失禁といったいくつかの症状を軽減することは可能です。


痴呆の中でも1/3(日本)がアルツハイマー病と診断されており、現在、迅速な治療法の開発を待ち望んで
いるというのが、今の所の現状なのですが、今回、アルツハイマーがどれほど辛い病気なのかというのを視覚的
に捉える事ができる”ある作品”を紹介したいと思います。その作品の作者はウィリアム・ウテルモーレン氏。

アルツハイマー病 絵

この一枚の絵。これはウィリアム・ウテルモーレン氏の自画像なのですが、彼は、1995年にアルツハイマーと
診断されると、病症が進行していく過程を痛々しいまで赤裸々に表現しました。診断された翌年の作品がコチラ。

アルツハイマー病 患者

診断されて1年程(1996年作)なので、タッチは少し違うものの、よく特徴を捉えている感じがします。
(ちなみにこの時点で、自分の名前がすでに書けないという症状に至っていたとのこと)

アルツハイマー 絵

1997年作の自画像。バランスが崩れ始め、抽象絵画一歩手前といった感じに変化。

病気と絵の関係

1998年になると、更に漠然とした印象になり

病気 絵画

1999年には、もはや自画像なのか、なんなのかわかりません。

最後の作品.jpg

2000年の作品


神経学者曰く、アルツハイマー病は脳内の右側頭葉に障害を起こし、空間認識能力を妨げるため、
何かを頭の中で想像して、それをキャンバスに描くことが出来なくなるらしく、特に絵の場合

絵画は抽象的になり、画像はぼやけ、曖昧になる。時々、美しく微妙な色使いになることもある

とのこと。

正直、アルツハイマー病に対し『大変なんだろうな』というイメージで、特に本人よりも家族に対しての同情感
の方が、上回っていましたが、こうやって視覚的にアルツハイマー病の深刻さを見ると、改めてこの病気の辛さ、
特に患者の精神的な辛さに気付かされたような気がしました。なお、皮肉な事に、彼の芸術活動はこの作品に
よって世に知られるという経緯を辿ったのですが、この作品が、アルツハイマー病を患った家族を理解する為の
架け橋的な存在になるような気がするので、これからも彼の作品が世界中に拡散される事を願いたいですね!

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最終更新日  2014年08月11日 10時31分02秒
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