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どうにか仮面をつけ、インゲームでの役は演じきれたものの、
それをレポートする日記の中で、私はある失敗を犯す。 そしてそれを理由に浴びせられた罵倒。 死と向き合うかもしれない宣告を受け、動揺している最中に、 死んでしまえという罵りは、思いのほか堪えた。 自分自身の弱さが情けなく、定めたはずのものを踏むことができない。 役者が役に入れなくなったら、もう終わりだった。 覚悟を決める。 いわゆるチラシの裏に書くように、素のままの日記を私は綴り始めた。 ところが、これが両刃の剣だったのだ。 元来、私は恐ろしいまでに感情的でウェットだし、 10代には2年間に渡って引き篭ったほどに脆い。 社会に出てから身につけた硬い言い回しと理の鎧、 それで我が身を守ってきたとも言える。 一度綻びてしまった鎧は、覆い隠す力をもう失っていた。 何かを口にしようとすれば、鎧の間から何かがこぼれ落ちそうになる。 早期発見で癌を克服し、一旦は大陸に戻ったものの、もはや以前と同じ気持ちにはなれない。 諸々の抱えてきたものから離れて、私は癒しだけを探しはじめていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月26日 17時12分45秒
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