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グレーテルの日記

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Mar 8, 2005
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カテゴリ:その他
ここ数日、PCの前に座っている時間はとても長かったです。
自分の日記は置き去りでしたが。

何をしてたかといえば、大手小町というサイトに掲示板のようなものがありまして、それをひたすら読んだり、たまにコメントしたりしてました。2チャンネルなどと違ってチェック機能がある為、数日のタイムラグがありますが、冷やかしのようなレスが無いので読みやすいのです。

人様の悩みを覗くのって、趣味は良くないかもしれませんがけっこう楽しいです。
夫婦、子供の悩みから一般的な疑問まで。
そんなこと、人に聞かなくてもわかるじゃん!って内容から、いろんな意見が出そうで他の人のコメントが楽しみなものから、いろいろありました。

思ったのは、悩みを相談する人は自分の状況をある程度詳しく説明しなければならないんだな、ということでした。
端的に説明したのが災いして、的確なアドバイスが受けられず、逆に悩んでること自体非難されかねない人もいるからです。

事情を正確に知らずに悩み相談に答えてしまうと、相手を傷つけてしまうこともあります。
以前ある友人の悩みをきちんと受け止めてあげられなかった自分を思い出しました。

その友人ナオ(仮名)は、20代半ばで転勤により上京しバリバリキャリアを積んでいると思っていたら、結婚を考えていた彼に一方的に振られ、うつ病になって地元に戻って来ました。体調が元に戻るのに時間はかかったものの、新しい仕事を見つけ、ほっとしたのもつかの間。その職場も人間関係からわずか数ヶ月で退職。その後、心も体もつらい期間を支えてくれた新しい彼との結婚も両家のトラブルで白紙に。現在はフリーターをしながら一人暮らし。

ナオは美人だし、真面目で頭も良い。マイペースでわがままでおしゃべりなところもあるけど、はつらつとしている時はとても魅力的に見える人。
ただ、うつ病がある程度回復した頃から共通の友人の誰もが、ナオの悩み相談に辟易し始めた。

私を含めた数人のナオの相談相手には、ナオのおかれた状況が正確にはわかっていなかった。彼女は東京でハードな仕事をしていたが、北海道の私達にはそれがどんなに過酷なものか想像ができなかった。でも、わかったつもりでいた。
例えば、まかされた仕事が多すぎて、帰宅が毎日深夜2時過ぎとか。上司が強引でついていけない、などの悩みに対し。

「大変だね。でもそんなに長時間働いても、効率悪いよね。上司にちゃんと相談してる?」
「いくら強引な上司でも少しは妥協しなきゃ。」など客観的に、でもナオのことを心配して熱心にアドバイスしたが、結局役には立たなかった。

最近になって、ナオは改めて当時の状況を説明してくれた。

ナオのいた会社は大学生に人気のある大企業だったが、東京でのナオの職場は新事業立ち上げの現場で、上司にも経験が無いため、効率など考える余裕が無かったこと。
上司はナオより少し年上の若い女性が抜擢されており、結果を求められている彼女に部下を思いやる余裕は無く、ナオ以外は新入社員ばかりだったこと。
その上司は思いつきばかりであれこれ仕事を増やすが、ナオの見る限り、会社の収益が上がるようなことはほとんどしておらず、案の定、わずか数年でその部署が消滅したこと。
ナオは私達には言っていなかったが、会社の上層部に訴える努力はした、と。

当時入社5年かそこらだった一般職の私達友人に、東京で総合職として働くナオに、会社を辞めろということ以外の、アドバイスができた人はたぶん、誰もいなかっただろう。実情を知ったら、絶句するのみだったかも。



同時に失恋も経験し、うつ病になったナオは、その一番つらい時期を乗り越えたはずだった。
でも、その後もいろいろな悩ましい状況がナオを苦しめ、なかなか完治しない状態が長く続いている。


30代になり、いろんな悩みを乗り越えてきた私達友人には、ナオが大げさに考えすぎているように思えてきた。
ナオの状況説明が下手なのか、私達に想像力が無いのか、なかなか彼女の悩みに共感できない。
職場のトラブル、実母との言い争い、結婚。


いつの間にかトラブルを招くようになっているのだろうか。

あまりに大げさに聞こえるので、時間をかけて(数日にわたり)話を聞くと、愚痴るしかないような状況にいることに納得してしまう自分がいる。


私は家庭環境や、職場の待遇、人間関係などにとても恵まれてきたらしく、彼女の周りにいるような悩ましい人達とはほとんど関わり無く生きてきた。


私の知るナオはとても有能な女性だか、なぜか彼女の周りには効率の悪いことを頑固に押し付ける人や、権威的な人、差別的な人、精神的に不安定な人などが彼女の行く手を阻んでいる。

自分がその場にいても、困るだろうなあ、と想像する。
でも、もし自分だったらそんなに厄介な事態にはならないだろうな、と思ったりもする。10年もの会社生活では、厄介な同僚や上司もいて、迷惑をかけられたこともあった。でも、その状況を割と楽しんでいることが多かったし、そうしていると自然に周りのまともな人が寄ってきて、助けてくれることが多かった。

ナオだって、まともな同僚を持っているが、厄介な人がよっぽど手におえないのか、誰も根本的に解決してくれないようだ。


そうやって、いつも悩ましい状況にいるナオに、ちょっと前まで私達は懲りずに付き合っていた。
でも、アドバイスをしてもなんら変化の無い(悪くなっていく)彼女に、もう電話をしないで欲しいと伝えてしまった友人も出てきた。


ナオ自身もわかってもらえないことに苦しみ、私達との接触を避けるようになった。


私も彼女と仲違いしたが、どうしても嫌いになれないので自分から連絡を取り、なんとか元通りの関係になった。今のところ彼女の悩みは一人で引き受けているので、けっこう重い、がちょっとうれしい。



突き放す友人を私はひどいとは思わない。

彼女達はかつて真剣に悩みを共有し、アドバイスをしたはずだから。

そしてナオの昔のような明るい笑顔を見たいと思っていたはずだから。


もう20年近く、いい関係保ってる友達同士なんだから、また元に戻れるよね。











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Last updated  Mar 9, 2005 05:50:45 PM
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