グレーテルの日記

昨日の日記に書いた友達からまた電話がありました。

とにかく話をちゃんと聞いてあげよう、そしてできることなら
解決の道筋を一緒に探したい、と思っていました。

友達のためではなく、あくまでも自分のためにそう思っていた。

愚痴の聞き役という面倒なことを早く終わらせたい、
昔のように元気で明るい彼女と楽しい会話をしたい、と。


でも、今日の電話で彼女は今までずっと隠していたことを
たくさん話してくれました。

私が彼女の悩みにイライラし、

「どうしてそんな風に考えちゃうんだろう、もう少し楽に考えて
人間関係も力を入れすぎないで、やっていけないものかな？
そのままだとつらそうで、見ていられない。」

というようなことをできるだけ優しく言った後でした。

「今まで言わないでいたけど…」

と、彼女の行動、考え方、そして鬱の

大きな原因となるものの存在を明かされました。

両親でした。

詳しいことはかけませんが、ネット上ではカミングアウトされる
方も多い、父親からの虐待や暴力などでした。

その話のあまりの重さに、勇気を出して告白した友人から「縁切り」
宣言されたことも１度や２度で済まないとのこと。
結婚を約束した男性すら、それを受け止めることはできず
別れる原因になった、と。


私は覚悟を決めて、時にヒステリックに大声を出したり、泣いている
せいでよく聞き取れない彼女の話をじっと聞いていました。


私の気持ちを心配して、何度も電話を止めようとする彼女に

「この数日、正直言って友人関係を続けた方が良いのか迷っていた。

でも、以前からの話で両親や兄弟に相談できる状況では無いと思って

いたし、共通の友人で付き合いが続いているのは私だけなので

ここで関係を断ったりしたら、自分自身が後悔すると思っている。

その代わり、知らないことがあるまま聞いているのはすごく苦痛で

そのうち嫌になるかもしれない。

それに勝手な思い込みでいらないアドバイスをしてしまうかも。

つらいと思うけど、トラウマになっていることも話して欲しい。

あなたという友人を大切にしたいので、信用して」

と説得して２時間近く話を聞いた。





私にとっては彼女と同じくらい大切な共通の友人に対する

激しい怒り、恨みも聞かされ

彼女の心の底にある、どす黒い塊を見たような気がして

本当につらかった。

彼女の生活時間を無視してかけてくる愚痴電話が、

幼い子供を持つ相手をノイローゼ寸前に追い詰め

その結果としてのきつい言葉を、

自分の非を認めた上でも

「絶対に許せない」と言い切る、

そんな彼女を私は知らなかった。

自分の、人間としての底の浅さや上っ面だけの人付き合いを

思い知らされた気がした。



私が話を聞いてあげたことで、彼女が立ち直ったり、変わったりする

ことは難しいと思うけど

「私を見捨てない友人がいる」という自信が

これから頑張っていく支えになってくれたら

それだけでいい。



と、私は本当に心から、思っているのだろうか。