|
テーマ:本日の1冊(3693)
カテゴリ:カテゴリ未分類
煙となって消える話。
先日入手した「ただ風が冷たい日 / 北方謙三」を通読二度目。 これ、「約束の街」シリーズ7、となってるんだけれど、「ブラッディドール」シリーズの登場人物である川中、坂井、弁護士のキドニーこと宇野、高岸などの登場に、件のシリーズを通読してきた向きには堪えられない内容であると同時に、 「安易に流れていないか?」 という危惧が常に付きまとう。 もちろん両シリーズを汲んだストーリー展開は、いつもの北方節で何の疑問をさし挟む余地もないのだが、登場人物がゴージャスに、エピソードがシリーズ作に触れるにつれ、知るものの喜びと同時に「これでいいのか?」という疑問を感じざるを得ない。 そういった反意をこめて、今作に取り上げられたシガーについて。 ロメオ イ フリエタを「ロミオ アンド ジュリエット」と英語表記な点。 シガーを少しでも知る向きには初歩的なミス。 コイーバやモンテクリスト、ロミオ イ フリエタを通俗的と断じ、ひとつラファエロ・ゴンザレスのみをストロングなシガーと位置づけたのには首をかしげる。 たとえばドン・エステバンのシガリロなど、若月の喫煙スタイルには打ってつけなのではあるまいか、と考えてしまうのは素人の浅はかさか。 あと、宇野のパイプに詰められた葉に言及する場面もない。 これだけシガーに固執して、片手落ちではないかと考える読書も私一人ではないだろう。 「シガーを凌ぎかねない甘い香り」からして、ダニッシュ・ブラックバニラか、ブルーノートあたりだと推察するが、ここまでシガーに言及する限り、どこかで一言欲しかったと感じてしまう。 で、ならばと久方ぶりにもらいものシガーをあさる。 上記に無いものを楽しんでしまえ、と暗い優越感に没入(笑。 OPUS X No.4 フエンテのプレミアムライン、入手困難らしいが、んなこたぁ委細かまいませんw ・・・こりゃあボルドーの特級シャトーだな。 香ばしさや苦味、旨み、香り高いところも含めて、全てバランスの円環の中にきれいに収まっている。 といっておとなしいのではなく、それぞれ力を持ったアピールが入れ替わり顔を出す感じ。 久方ぶりに手ごたえ深い一品に出会った、という印象です。 アードベグ30年もアイテムとして登場するが、これも突っ込みどころ満載。 「磯臭さ」に著者は言及しているが、んなもん普通に出回ってる10年ものに比べたら月とスッポン。 ええもんばっかり口にしてるとこんなもんかもしれない。 結果。 ビンボ人の僻みから一歩も脱却してないことに気づいた早朝でございました(汗。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.09.25 10:55:53
コメント(0) | コメントを書く |