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●あるまだ寒さの残る朝、デュッセルドルフの大学病院 のドアを開いたのは56歳の男性でした。下の顎が異常に小さく問診には小さな字で「先天性下顎骨不全症」と書かれていました。俗に言う、「バードマウス」のケースです。 ●レントゲン、CT。MRI、セファロ、および、Study Model からのDiagnoseからTherapieの計画を立案します。患者さんの噛み合わせは普通に咬んで、『上の写真左』のように前歯が上下35mmの開きがあり、これを歯科矯正で治療することは無理です。そこで外科、口腔外科、矯正、補綴科のオーソリティーが集まり。会議を行い、矯正による上顎の咬合平面の改善、および、下顎(下顎角から臼後結節まで)を切り取り、30mmの人工骨の移植、ミニオステオジンテーゼ(骨の接着剤)による骨の接着など、種々の治療術式を決定しました。 ● そして、『右上の写真がオペ後、1週間の状態』です。神経、筋肉系統はまだ機能に付いて行けませんが、患者さんはミニオステオジンテーゼによる上下顎個々の接着により、口を開けることは可能です。そこで、輪ゴム(矯正用)によって閉口でき、柔らかい食事ができるように処置を行いました。 ● 顎の治癒、神経、筋肉系統の機能回復を待ちながら、オペ3年後からプロビショナルレストレーション(暫間的に入れておくプラスチックの歯)を作り替えながら、顎関節の正常な機能を回復して行きます。 ● そして、5年後、前歯だけ残し、総ての歯牙に最終的なプレパレーション(歯牙の切削)を行い『上図左』、AGC Galvonoキャップ「99、98%ゴールド」、上に、セラミック(Vintage Halo使用)を焼きつけた下顎のセラモメタルレストレーション(瀬戸物様の人の歯とほとんど見分けのつかない人工の歯)『上図右』。 ● 上下顎のセラモメタルレストレーション(瀬戸物様の人の歯とほとんど見分けのつかない人工の歯)によるオーラルリハビリテーション(口腔の審美、機能の回復)を行う『上図左』。 ● 患者さんのスマイルライン『上図右』。 ★ 患者さんの顔貌。下図『左:術前5年前』『右:術後5年後』。5年後の方が若返ってますよね、、、印象深いケースで患者さんも感動してくれました。 ★『術式担当、写真提供:Dusseldorf大学病院 、助教授:Oa.Dr.med.dent.G.Diedrichs先生』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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