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カテゴリ:新米ヘルパー奮闘記
眼下には、穏やかに広がる海。
振り返れば、優しい緑を湛える山々。 そんな、のどかな雰囲気に囲まれた 痴呆性高齢者グループホームが 新しく勤めることになった職場。 入居者さんは全部で18名。 様々な問題を抱える高齢者さん達に 人としての尊厳に満ち溢れた晩年を送ってもらうため 24時間体制でそのお手伝いをするのが 僕ら介護人のお仕事なのです。 一年程の自由人生活に別れを告げ 予備知識のみの頭でっかちな風貌で 全く未知の福祉業界に飛び込んでしまった僕が 3日間の研修を終えた時点で抱いた感想は・・。 楽しい♪ 元来、お年寄りと接するのは「嫌いでない」という 性分が起因しているのでしょうが なによりこれまでの 「何かの代償行為」や 「喰っていく為に続けていた仕事」とは違い 一から十まで納得して決めた職種ってのは コレほどまでにやりがいがあるものか・・と 改めて実感している新米介護人まぐろです。 こんばんは。 勿論、まだ仕事を半分しかこなせていないので その辺は忸怩たる思いをいだいてはおりますが・・。 もはや、修練在るのみで御座いますね。 さてさて・・。 研修初日。 ドキドキしながら訪れた異端の僕を 入居者の皆さんは、笑顔で迎え入れてくれました。 お話も率先して向こう側からしてくださるので ヘルパーとして勤め始めた自分としては 全く逆の立場に立ったみたいで 何だか、ちょっぴり気恥ずかしいもの・・。 しかし、そんな気使いは 勿論、嬉しいことに間違いありませんでした。 そして更に 嬉しかった事は・・。 『永遠の18歳』と言う肩書きを かなぐり捨て 31歳と言う実年齢を曝したとしても・・ 「若いね~」 「まぐろさん。まだ若いんだから。」 「若い人は、やっぱり力が強いね。」 ここの入居者さん達は 僕よりも3回りも4回りも、お年を召した方ばかり。 そんな人生の大先輩達に比べれば たかが31年ばかり生きてきた僕なんて ただの嘴の黄色い雛です。 当然のことと言えば、当然のことですが・・。 思い返せば、これまでの新聞配達稼業では 自分よりも年下の学生どもに囲まれ やれ・・オヤジだの。 やれ・・加齢臭まで、後一歩だの。 やれ・・三十路近いのに駄目人間だの 罵詈雑言を浴びせられ 「ぼ・・僕は老けてしまったんだ。」と 失意の底で 涙に暮れる日々を送っていましたものです。 そこに来て この「若い!」「若い!」コールには感慨も一入。 「そうか! 僕は若かったのですね!」 単純な僕は簡単に乗せられて あっという間に有頂天まで上り詰めます。 老いさらばえた昨日までの僕よ。さようなら。 若き血潮の滾る今日からの僕よ。こんにちは。 そんな時、他の職員さんに呼び止められました。 「え?なんですか? この重い荷物を倉庫までお願いします? な~に!任せて置いてください!! なんたって僕は若いんですから~!!」 ボキッ!! 「・・腰から・・腰から変な音がした~!!」 有頂天にもぼり詰めたのは心の中だけで・・ 身体の方は 全くついて行かなかったようですね。 がくり・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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