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カテゴリ:新米ヘルパー奮闘記
鬼は~!外!!
福は~!内!! 2月3日は節分でしたね。 僕の勤めるグループホームでも 入居者さんの無病息災を祈るために 『節分・豆まき大会』が レクリエーションの一環として計画されていました。 そこで問題が一つ。 誰が鬼の役を務めるかってこと・・。 「・・と言う訳で まぐろくん。鬼役をお願いね。」 「即決でしたね・・先輩。」 新人の性でしょうか? それとも、男性職員が僕だけだからでしょうか? 僅か二秒という短い時間で 白羽の矢が、ぶッすりと僕の脳天に突き刺さりました。 自称・引っ込み思案のまぐろは こう言う弾けた役回りは もっとも苦手とするトコロ・・。 が・・しかし 丁度、節分前日は 僕の数少ない休日が割り振られていたため 面倒臭い準備などは 全て先輩方任せになってしまうという負い目が手伝って 入居者さんに豆を投げられて わきゃわきゃと逃げ回るのも 何だか楽しそうだ・・と 無理矢理の脳内変換を試みて、快く承諾致しました。 しかし・・ これが僕をとんでもない世界に引き入れる プレリュードだったとは・・。 そして節分当日。 「じゃ・・まぐろくん。コレをつけてね。」 そう言って先輩が 僕に手渡してくれたのは 前日に、入居者さんと一緒に作ったと言う コミカルな表情をした 鬼の面と トラボルタもびっくりの 巨大な アフロ・・。 「ちょ!ちょっと待った~!! 節分にアフロは関係ない~!!」 僕が鬼に扮装する為に用意された 食材倉庫の一角に 厳かに鎮座まします 黒くてモジャモジャした物体を前に 激しく抗議いたしましたが・・ 「そう?鬼といえばアフロが相場よ。」 衣装係の先輩はクールにそう言い放ちました。 た・・確かに 節分豆のオマケにもついてくる鬼の面を見ても 絵本なんかに登場してくる挿絵なんかに例にとっても なんだかモジャモジャした髪型をしていますが・・ あれってアフロだったんだ・・。 ちょっとしたアイデンティティーの崩壊です。 なんだか・・ハメられている感を ヒシヒシと感じながらも 折角、先輩が買い求めてきた物を 無碍にも出来ず・・ しぶしぶとアフロを被る羽目に・・。 まぐろはアフロを装備した!! ぼうぎょりょくが2あがった!! しゅうちしんが10さがった!! 手渡された手鏡で、己の姿を見てみると 頭がこの木。何の木。気になる木状態です。 「せ・・先輩。 このイデタチで僕に公衆の面前に立てと?」 「はい♪いってらっしゃい♪」 どうやらアフロは呪いのアイテムだったようですね。 まぐろはこんらんした!! その頃、ホールでは 部屋が散らからないようにと 小袋に分けた豆を職員に渡され 鬼の登場を「今か今か」と心待ちにしている入居者さんで ごった返していました。 そんなみんなの注目を浴びる中・・。 台所裏の食料倉庫から サタデェーナイトフィーバーよろしく 指を一本高らかに上げた アフロ登場! 「なぐごはいねーか~!!」と 鬼を模した叫びを上げたところで 所詮はアフロ。 何となくあっけに取られている入居者さんたちを巻き込んで 施設内は一瞬の内に 70年代へ突入です。 さてさて 節分の会は和やかに そしてソウルフル・ダイナマイトに始まりました。 年女の入居者さんを筆頭に 皆さん、楽しそうに豆を鬼に投げて ご自身や館内から災厄を追い出そうとします。 鬼は~♪外♪ 鬼は~♪外 が・・しかし アフロを装備しメダパニ状態の僕は その特大の頭で 皆の前に躍り出たことで 羞恥心の箍は完全に外れてしまったようです・・。 故のテンションは急上昇! 入居者さんが楽しげに投げてくる豆を アンダーソン君宜しく かわす! 入居者さんが一生懸命投げてくる豆を 仁王立ちになり胸板で 跳ね返す! 「ふはははは~!! そんな豆鉄砲(当たり前だ)で この俺様を倒そうなど片腹痛いわっ!! 俺のタマが欲しかったら ICBMでも持ってきやがれ~!!」 恐るべき傍若無人ぶり・・。 もはやアフロを纏った者に 怖いものなんて在りません。 「ま・・まぐろ君。 節分の鬼が豆の前に怯まなくってどうすんの・・。」 ・・と言う先輩の 半ば呆れがちで的確なツッコミで はっ!と我に帰るまで 半狂乱のアフロによって 節分・豆まきの会は、全く別のベクトルで展開・・。 ・・アフロって 人間の自我を崩壊させる 本当に怖いものなんですね。 そんなこんなで、我に帰ったアフロ鬼は 飛礫の前に屈し・・。 ウチの施設の節分は 賑やかな雰囲気の中 滞りなく終焉を向かえました。 色々在りましたが・・。 これで、入居者の皆さんは厄を追い出し 今年一年、無病息災で 穏やかに過ごしていただけることでしょう。 一日の仕事を終え 安心した面持ちで 愛車のインテグラさんに乗り込むまぐろ。 が・・しかし この時、僕は大切な事を 一つ忘れていたのです。 めきょ!! ぎゃああああああああ!! インテグラさんが 駐車場の鉄柵に 突っ込みあそばされた~!! そうです。 入居者さんの厄は追い出されても・・ 鬼役だっだ僕の災いは まったく祓われていなかったのです。 自ら、華麗なるオチをつけ 大量の血を吐いて奈落へ転げ落ちる節分の夕暮れ・・。 ぐふっ!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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