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カテゴリ:野良猫
猫づき始めたのは茶トラのどでかいねこが
はじまりだった 何年か前の3月のはじめ頃だったと思う 職場の裏のドア付近に積んであったダンボールの 隙間から、まるでぼろ雑巾か腐りかけたモップ みたいなのがヨロヨロとでてきた 子猫かと思うくらい小さく、 やつれた、足は内側にやや湾曲していて 年も結構いってるのだろうな思わせる サビ猫だった だれがどう見たって汚い 目つきも下から盗み見するようなオドオドした かんじで、よくみると首の辺りの毛がなくて 皮膚の部分がわっか状にみえている 汚いし、気持ち悪いなと思った そいつは次の日もそこから現れ、どうも そこにすんでいるようだった 私が出勤してくるとすごすごと出て行き その姿がだんだん哀れに見えてきた やっちゃだめだといわれたえさをやり サビ猫は住みついてしまった ひとつきほど経ち そうしているうちにガリガリのシロが現れた 2匹に増えてしまったのだが 苦ではなかった シロもだんだん太っていき、サビ猫はサビなりに 毛がふさふさとなり、毛艶もよくなり よくみるととてもかわいらしい顔をしていた サビ猫はなかないネコだったが 半年くらいたって小さな声で「ニャオ!]と 餌をねだるようになった 年をいってたからなのか、もしくはどこかで 避妊されていたのか子供は生まなかった 寒い季節になり小屋をつくってやった サビ猫はそこにいつもいた 年が明けて、サビ猫は便を小屋の前で するようになる うすい血のようなものも落ちている 餌もだんだん食べなくなり ある時は出てきたかと思えばバタンと倒れたらしい もう短いのだなと思っている矢先 1月のある寒い日の朝 小屋から後ろ足がピーンとつっぱって出ている のをみた 小屋のダンボールを上から分解した サビ猫は目をあけたまま体をつっぱらせて 死んでいた 体はすでに硬くなっていた きてから1年もいなかった 冬は越せなかった 新しいダンボールに毛布を敷き、サビ猫をいれ 植木鉢にさいていたガーベラの花をいれ 市の動物をやいてくれるところに運んだ サビ猫が余生をこんなところで過ごしたのがよかったのか どうかわからないが、 私は出会えてよかったと思っている お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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