少しずつ一歩ずつ

夏休みに旅行に行ったときのこと。

みやげ屋を通りかかるたびに、子供たちから　「買って買って」攻撃を受け、

いいかげんうんざりしてしまいました。

「買わないよ」　「えーー！！なんで～！！」　って戦いを繰り返すのも、もううんざり。



そこで、試しに２人にお金を与えてみました。といっても小銭で４００円ずつ。

小学校１年生にしてはじめての「おこづかい」です。（今までお年玉も親が預かっていた）

「好きな物をかっていいよ。でも、大切なお金だからね。よーく考えて使いなさいよ」といってお金を渡したところ、

「ええーーー！！いいのーー？！」と、そりゃもう２人は大喜びでした。

そのあとのお金の使い方に２人の性格が現れていておもしろかった。



チャトくんは、「ぼく、これやる」と、即座に有料望遠鏡に２００円を。即決です。

でも、使い方がわからなくてマゴマゴしているうちに、あっという間に時間切れに。ああ、貴重なお金が……


一方のぶーくんは、おみやげ屋をウロウロ。たーっぷり時間をかけて迷って、欲しい物を見つけました。

日本地図の形のパズル、１０５０円也。

　　「これ、なんえん？　４００円で買える？」

　　「買えないよ。１００円玉が１１個ないと買えない」

次に見つけたのは汽車のおもちゃ。１２００円也。

　　「これは？　１００円玉何個で買える？」

と、そんなことを繰り返して迷うこと４０分。

　　結局「ぼく、やっぱりここでは買わない。他のおみせで買う」というのがぶーくんの決断でした。

今まで散々ガチャガチャだのキーホルダーだの買えと言っていたくせに、いざ自分のお金となると

そういうものには使いたくないらしい。



その後、２人で持っているお金を比べあい、チャトくんは

　　「あーあー。ぼく、望遠鏡なんかに使わなければよかった」とずーっとブチブチ言いつづけていました。

（そういうのを「後悔」っていうんだよ。）




旅行中、最後によったお店でパパから２００円ずつ特別ボーナスをもらった２人。

ぶーくんの所持金は６００円、チャトくんは４００円になりました。

さんざん迷って、２人でおそろいのアザラシのヌイグルミ（４００円）を買いました。

いい思い出になったようです。