人外魔境
きょうも本シリーズです。(^^;小栗虫太郎「人外魔境」角川ホラー文庫 昭和初期の冒険小説です。雑誌「新青年」に昭和14年から16年にかけて掲載されたものを単行本化したものです。小栗虫太郎は戦前の探偵小説界の一翼を担った小説家ですが、現在ではあまり知られていません。現にこの「人外魔境」も長く絶版になっていました。この小説は折竹孫七という探検家(実態は国益のためにスパイ活動をしている)が世界の秘境を探検する物語です。「水棲人」「火礁海」「地軸二万哩」などなにか懐かしさを感じさせる題名のついた作品が多く収録されています。リアリティに富み、なおかつ昭和初期の古き良き時代の香りが感じられる小説と言っていいでしょう。書店で見つけることは難しいかもしれませんが、もし見つけたらご一読を。