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テーマ:気になったニュース(30833)
カテゴリ:こころについて
先日のニュースで、文部科学大臣が「いじめ問題のきちんとした報告を全国の小中学校へ指示する」というようなことを発表していたけれど。
この前の小学生自殺事件を受けてのことだろうとは思うが、つまらんイチャモンをつけるつもりはないけれど、どうも「ここで何かしないと内閣の支持率が・・・」みたいな発想なんじゃないかとうがった目で見てしまう。 これにはじまったことでなく、これまでにも政界、教育界、法曹界などの、いろんな分野の専門家の意見だのコラムを折につけ見聞きするが、ぜんぜん納得できない。 先日、某弁護士が「いじめ問題の芽を摘むには、主犯格の子どもを排除すれば早期に治まる、一刻も早くそうすべきだ」などと書いているコラムを読んで、「何を子どもをガン細胞みたいに・・・」と思った。 多分に先入観混じりの勝手な想像だけれど、弁護士さんという職業柄、「いじめっ子=悪人、犯罪者」的に見すぎているような気がする。 また現在の世の中ではこのいじめ問題に対して、あまりに「大人(教師や保護者)が管理し解決すべき論」が先行してしまっているから、そういう結論になるんじゃあるまいか。 文部科学省がいじめ問題解決の方策を打ち出すとしたって、どうせ「学校側の管理体制の強化」みたいな結論しか出ないんだろう。それが100%間違っているとは云わないけど、100%正しいことは絶対にない。 おおかた「いじめによる自殺がなくなる→いじめ問題解決」までしか考えていないことだろう。 また国の力で見ることができるのは、せいぜいそこまでが限界でもあるのだろう。 いじめを解消するのは、結局は子ども達自身だと思うのだ。つまりいじめっ子もその中には含まれる。 いじめ行為そのものは卑劣で残酷な行為だけれど、同時に「病理的な不適応行動」ともいえるだろう。 「いじめたくなる」「いじめないと気がすまない」という感覚は、いわば病気みたいなものと考え、子ども達にもそれを認識させるべき。 そんないじめっ子の「病理の改善」は、いじめっ子を排除する前にやる必要があると思う。 そして病理から立ち直った「元いじめっ子」とともに、教師とクラスメイト一体となって、もう一方の病理に冒されているいじめられっ子を守り、立ち直りを援助する、という流れではできないのだろうか。 あるいは、教育現場に立ったこともない人間が頭だけで考えた理想論と云われるかもしれないが、心理的援助に携わる専門家の協力が得られるのならば、実施可能なのではないか。 単にいじめっ子の頭を押さえつけるだけの指導が正しいとは絶対に思えない。 思考が未熟ゆえのいじめ行為ならば、正しい思考の方向を教え導くのは大人の役割だけれど、最終的に子ども自身に解決行動を委ねることなく、道半ばで「ガン細胞」扱いで排除するのだとすれば、誰の病理も治せないどころか、いじめられっ子、いじめっ子双方に遺恨を残し、いじめの思い出を心的外傷として将来まで抱き続けることになる。 そこまでの想像力のない人間に、いじめ対策など立てて欲しくない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
October 17, 2006 08:44:03 PM
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