今日久々に、大親友のヨウジから電話があって、この間プロポーズした彼女からOKをもらったと言う連絡だった。 一体どこから湧き上がってくるんだろうこの喜びは?? 人目を気にせずに思わずやったーと叫んでしまった程、もうとにかく嬉しくてたまらなかった。 二人で電話越しに叫びあっていた。 もし目の前にいたら、叫びあいながら抱き合っていたと思う。 今まで生きてきて、こいつ程、真っ直ぐで素直な奴に出会ったことが無い。 ヨウジといるといつも気が楽だったのを覚えている。 とにかく曲がった事が嫌いで、人の事を悪く言わない、陰口も絶対に言わない、誰に対してもいつも平等に接するあいつは、俺の掛替えの無い存在だった。 見た目はチャラチャラしているものの、中身は本当に言い奴だった。 そして、来月久々に一緒に山に登る約束をして電話を切った。 今回はあいつの行きたい所に付いて行く事にして、俺の方からはどこがいいとか言わない事した。
夜、家に帰り着いたものの今夜は、いつにもなく気分が良いので急ぎ車に飛び乗り八ヶ岳の麓にあるレストランまで夜道をかっ飛ばしてしまった。 古民家を改装して造ったお店で落ち着いた不陰気がとても心地よかった。 店の真中に置かれた暖炉の上に大小二つの黄色いカボチャが行儀よく置かれていて、学生時代によく食べたパンプキンパイが脳裏に過ぎり懐かしい思い出に浸れるいい店だった。 落ち着いた店内は薄暗く、店員の顔もハッキリと見えないぐらいの程だった。 野菜中心の料理をお願いしますとだけ言ってどんなのが出て来るのが楽しみに待っていると、キノコとほうれん草のピザと夏野菜で作ったパスタが出て来た。 これが旨いのなんのって、そして食後は持って来た小説を愉しむ事に。 凄く古い小説だけに、古民家でそれを読むのが何とも言えなくいい感じだった。 昔の日本語の持つ色やツヤが建物の色ツヤと重なって見えた。 店員のおねーさんがまた良い人で、23時の閉店後もせっかく来たのだからもっとゆっくりしていって下さいと言うのを丁重にお断りして、もう遅いのでまた来ま~すと言って外に出てみるとライトアップされた庭の無造作に置かれた草木がいつにもなく素敵に見えた。