055024 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

群青色のニシキゴイ

群青色のニシキゴイ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X
2008.12.14
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
広い野に一羽の鳥と一本の花があった。

その鳥の羽根は、漆黒が空に映え、美しかった。
その花の花弁は、金色が野に輝き、美しかった。

鳥は花の華やかさに、花は鳥の清らかさに、お互いに尊敬の念を持っていた。


時が経ち、花は実になり、新たな花が生まれた。
花は喜び、鳥も喜びを持って迎えた。
鳥は一羽だった。

更に時が経ち、野は色鮮やかな花で覆われた。
それを鳥は眩しげに眺め、花も誇らしげに咲いた。

しかし、花々は、花の思いを知らなかった。
やがて花々は鳥を妬み始めた。
自らの華やかさには気付かず、ただ空を舞う鳥に、自由な鳥に嫉妬心を持ち始めた。

そこへ鳥がやってきた。
美しい花を見るために。
花々に埋もれた花に会うために。
低く、低く、飛んだ。
それを見た花々は、蔓を、根を伸ばした。
鳥を遮り、足を絡め、羽根を毟り、嘴を封じ、地に落とした。

すると、風が止んだ。

温かさを
清らかさを
喜びを運んでいた風が、止んだ。

花はそれに気付き、体を震わせた。
悲しみに、花弁を落とした。

花々は、止んだ風に戸惑った。
小さく生えていた花々は凍え、大きな花々は自らの重みに葉を、花弁を落とした。
落ちた葉は新たな芽を潰し、花弁は他の花々に絡みついた。

鳥が落ちたことに気付かなかった花々も、止んだ風に、身を凍らせた。



それ以来、美しさ、喜びを感じることのなくなった花々は、ただ、ただ、咲くだけとなった。
お互いを比べることの出来なくなった花々は、華やかな色を落とした。


華やかな色を忘れた花々は、いつしか





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2008.12.14 00:34:41
コメント(0) | コメントを書く


PR

カテゴリ

カレンダー

プロフィール

本華

本華

コメント新着

どぴゅ@ みんなホントにオナ鑑だけなの? 相互オナって約束だったけど、いざとなる…
お猿@ やっちまったなぁ! http://feti.findeath.net/f3ofmxj/ ちょ…
もじゃもじゃ君@ 短小ち○こに興奮しすぎ(ワラ 優子ちゃんたら急に人気無い所で車を停め…
しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
ヒゲメタボ@ クマたんと呼ばれてます(^^; 最近はこれが流行ってるって聞いたので …

お気に入りブログ

星 屑 の 水 槽 蒼月桜也さん
 あるとにろ ねこー106さん
きゅうりが金星から… 金のバナナさん

© Rakuten Group, Inc.
X