『神の道化師』を読んで~♪
『神の道化師』『わすれられないおくりもの』のレビューでほとんどの方が☆5個と言う中で☆1個を付けた方のおすすめ本だったので、気になり読んでみました。ジョバンニは孤児で、なんでもお手玉のように空中に投げ飛ばす特技を認められ、 旅芸人に加わります。次第に芸も上達し独り立ちし、有名になりますが、地位のある人の前でも変わらずに、 いつもと同じ芸をして媚びるところなどありません。 しかし月日が流れ年老いてくると喜んでみてくれる人は少なくなり、ジョバンニは故郷ソレントへ帰ることになります。よその家の軒下に眠り、パンをめぐんでもらいながらジョバンニは過ごすことになるが、ある日教会にもぐりこむと、その日はクリスマス・イヴで多くの人が聖母に抱かれ たイエスの像に、ささげものを持って長い行列を作っていました。そしてひとり教会に残されたジョバンニは像の前に近づき悲しそうなイエスを見ます。ジョバンニはあの昔多くの人が喜んでくれた芸を始めます。 それはこれまでにないほどの出来栄えで、いろいろな色の玉が 高く高く回り続ける。「あなたに、神の御子イエスさま、あなたにささげます」と声をふりしぼって言い、年老いたジョバンニは息絶えてしまう。しかし、にっこり微笑んでいるイエスの手にはしっかりと金色の玉が抱かれていたのです。心が荒んでしまったみたいで、特に感動なしでした。心配になって職場の若い子にも感想を聞いてみましたが、信仰も関係するから、日本人はあまり感動しないかもと、言っていたのでちょっと安心しました。なんとなく『フランダースの犬』に似ているなと思いました。主人公ネロは大聖堂に飾られらた憧れのルーベンスの絵の前で愛犬を固く抱きしめたまま共に冷たくなって発見されたところが、イエスの像の前で息絶えてしまうジョバンニと重なるのですが。。。