能「羽衣」と狂言「悪太郎」@国立能楽堂。
初めて能を堪能してきました。心の中のシミが少し取れた感じがしました。狂言は、今でいうとコントみたいな物能は、オペラみたいな物私は、どちらかと言うと笑いが出る狂言の方が好みかなあ。娘は能に感動したようでした。いつもすぐに飽きてしまうのに能のシテの舞に釘付けでした。隣に座っていた方は仕事を抜け出してきたかのようでずっと対訳本にかじりついていた。今までに色々な舞台を観てきましたがそこでは見られなかったタイプの方がたくさんいました。男女ともお着物姿が多く、隠れ富裕層と思われる方がチラホラいました。外国人にも人気でお隣の女性も熱心に観劇していました。すべてが本物で散らかっていない。所作が綺麗。カーテンコールもないので舞台に何も残さず去っていくのが新鮮でした。能は観ている人に共感を求めて演じるのではなくて観ている人は自分の心と向き合う時間であるそうです。スポーツやミュージカルを観た後に起きる高揚感がないので虚しい気持ちが沸きあがって来ない。家に帰ってからもすんなりと日常に戻ることができました。天人の舞は本当に月から来たのではないかと思ってしまうぐらい神秘的でした。何かこれから嫌なことがあった時も天から天人が見守っていると思って生きて行きたいと感じた。天人が言います。「天には疑いはございません。疑うのは人間だけです。」どれだけ疑って生きているのか。この舞台を観てからスローについて考えるようになりました。人生100年時代一つの事に集中してゆっくり歩いて行けばいいのですよ。秘すれば花 世阿弥