カテゴリ:読書
小さな可能性 装丁に惹かれて読んでみたら、 児童書とは思えないほどの深い話でした。 オランダでもっとも歴史と権威のある児童文学賞「金の石筆賞」を受賞した本作品は、繊細で、やさしさにあふれた感動的な作品です。この物語は、主人公の少女キークの、「不安」を描いています。 医者のお父さんは、ときどき家族のもとをはなれ、人を助けるために戦争中の場所へと向かいます。これまでは、何事もなく無事に帰ってきましたが、今回は、いつもと違いました。来るはずの電話がこない……キークとお母さんは、不安な気持ちをつのらせながら、待ち続けます。行方不明になったお父さんと、その無事を祈るキーク。父さんが死んでしまう可能性を小さくするためには、どうしたらいいのか。いかにも子どもらしい思い込みから、キークは、いろんなことを試してみます。 最後には、お父さんの居場所がわかり、足を一本なくす大けがをしましたが、命は無事に帰ってきます。「もうどこにも行かない?」というキークの質問に、お父さんは、答えました。「もう少し元気になったら、また出かけるよ。そのときは、キークも一緒に来てくれる?危ないところに行かないように、見張っててくれよ」 不安に打ち勝ち、次の一歩を踏み出す勇気を持てる、そんな暖かい作品です。 小学館解説より お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.09.09 20:03:34
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