「銀河」の廃止、「北斗星」乗車、「日本海」の撮影と立て続けの活動で
「あぁあ、『富士』に乗りてぇなぁ」などとぐわーんと興味がわいてきていたところに
これだ。
図解〈新説〉全国寝台列車未来予想図
楽天ブックス
なんてったってサブタイトルが
「ブルートレイン「銀河」廃止の本当の理由」
である。
そして帯には
「「銀河」「なは」「あかつき」に復活の道はあるか」
などなど書いてある。
これは買わないわけにいかない。
目次をパラパラとめくってみると、
「『なは・あかつき』の本当の"負け"」
「『銀河』――夜行バスに負けたわけではない」
「『カシオペア』――北海道新幹線が出来ても"一人勝ち"」
「寝台列車復活への道」
「次世代型寝台列車の提言」
わー
面白くてぐいぐい読んだ。
「銀河」廃止の理由は、本当に書いてあった。
もっと言えば、「富士」「はやぶさ」がここまで生き残った理由も書いてあった。
平日の利用率が低いなら土休日運転の臨時にすればいいのではないかということは
「さくら」や「あさかぜ」廃止以前からずっと言われていたことだけど、
それもしなかったのは…なぜか。
しなかったのではなく、出来なかったのだ。
廃止という道が避けられなかったのも、
新幹線や飛行機に負けたというだけではなかったのだ。
すげぇ。
詳しい話は本文を読んでいただくとして、
ただの「懐古趣味」や「鉄道好き」と言う枠に収まらない、
寝台列車の歴史から、寝台列車の種類や問題点、
鉄道以外の交通事情、時には行政もからむことなど
多角的な原因究明、説明がなされていてとても興味深い。
さらに、
「では寝台列車ってどう生かされるべきなのか」
と言うところまで言及されている。
もしかしたらその章は、読む人によっては
「絵空事」と見られてしまうかもしれない。
でも、僕はそうは思わなかった。
もちろん細かく考えれば検討の予知もあるだろうけど、
やろうと思えば十分に実現可能な、実用的な提言が沢山されている。
もちろん、「やろうと思えば」だけど。
だって…「サンライズ瀬戸・出雲」が成功してるじゃないか
そう、この本に一貫して貫かれているスタンスは、
「寝台列車は、新幹線や飛行機に対抗できないのではなく、新幹線や飛行機が出来ないことを可能にする力を秘めたものである」
（本文引用）
ということ。
やろうと思えばできることをなかなかしない、
というもどかしさがずっと流れている気がする。
以前ある雑誌が
「「富士」「はやぶさ」の最後の活躍を見守ろう」
と書いていて、
何で廃止ありきなのだ
何故存続させようと思わないんだ？なくなるのを指をくわえて見てるのか？と思い
その場で叩きつけたくなったことがある。
こういう本がもっと出てくれると、とてもうれしい。
まだまだ、鉄道の未来は明るいんじゃないか、
そんな気持ちにさせてくれる、とても具体的でとてもポジティブな本である。
多角的に検証してあるので寝台列車以外の周辺の事情も分かるので、
ブルートレイン大好きな方だけでなく、日本の鉄道の未来がなんとなく気になる方には
是非オススメ。
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何故存続させようと思わないんだ？なくなるのを指をくわえて見てるのか？と思い
