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かくて幕間はここに終わる。
無制限の軍勢による圧勝で終わるはずだった骸どもは、しかし、最後には一つ一つの士となりながらも塔まで辿りついた。
あと一手。
この塔を駆け上がり月への階段へ手をかければ週末は完成する。
”急ゲ、急ゲ、急ゲ、急ゲーーーーー!”
塔に侵入し頂上を目指すカレ等の怨磋に喜びが混じり始める。
それは勝利を確信した歓喜。
生き残りを果たした安堵。
裏切り者がどれほど進んでいようが構わない。
到達さえしてしまえば、カレ等は階段を駆け上がり新たな残骸を向かえるのだ。
”ーー、 ーー、 ーー、ーー?”
・・・・・しかし。
到達した何千目かのそれはかすかな違和感に首をかしげる。
すでに頂上には到達し、カレ等で埋め尽くされている。
だというのに階段はいまだ透明(けんざい)。
本来ならカレ等の怨念で赤黒く染め上げてなければならない。
ザシュッ
ザシュッ
ザシュゥゥッ
”ーー、 ーー、 ーー、ーー?”
音は階段の在る場所から聞こえ、同胞達が次々と飛び散っていく。
カレ等がいくら無数に居ようとも、たどり着く場所はただ一点。
活目し覚悟せよ数多の残骸。
カレ等が目にするのは褐色の迷子天使。
純白の踊り子衣装に身を包んだ、穢れなき理想の顕現。
ーーーここに。
終わりにして絶対不落の、真なる護り手が存在する。
彼女の舞こそがカレ等を阻む最大の障害。
目指すべきは階段、その狭き一点を阻む死の舞踏。
骸どもは骸となりても押し寄せる。
本能が敗北しか感じ取っていなくとも、侵略こそがカレ等の証。
サ 「この梯子は未来を重んじる者のみが至る梯子です。
貴方達に踏み入る余地はありません!
それを我侭だと呪うのならばーーー
・・・迷いは無い。
幕を降ろすのは彼だけではない。
この夜戦うもの全ては。
自ら望んだ未来の為に、この幻想を打ち棄ててーーーー
この舞でその怨念
浄化してあげましょう!
さぁ!
かかってきなさいこのお莫迦ども!!」
赤黒い無限地獄に白き花が咲き誇る。
消え逝く者への手向けへと。
気高く、美しく、咲き誇る。
これにて幕間は閉幕。
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