アジュンマＧＯ！ＧＯ！

うちのアパートのまん前に、小さな文房具屋さんができました。

自宅の１階を改造して作った、こじんまりしたお店で
夫婦交代で店番してるような感じですが、
すぐ横が小学校なので、そこそこ繁盛してるようです。


私も、韓国語学校で使うノートなんかを買いに
何度かその文房具店に行ったのですが、そのたびに
なんとなーく気にかかる事がありました。
それは、

「店主のアジョシ（おじさん）が、お店で浮いている」

って事です。


そのアジョシ（推定年齢４５歳）、なんか雰囲気が文房具屋の
オヤジっていう感じじゃないんですよねぇ。
なんか、とても場違いな所にいるっていうか、文房具を
売ってる姿がサマになってないというか・・・


私が漠然とそう思ってしまう理由としては、まず


・いつも身なりがきちんとしている。

文房具屋さんですから、服装はカジュアルですけど
いつも小奇麗な服で、髪型もきれいにしています。
この辺では珍しいくらい、清潔感あふれるアジョシです。
そして、


・なんとなく頭よさそう。

私が、韓国語単語を覚えたいから、単語帳を欲しいと言ったら、
「あいにく、単語帳は無いけれど、このノートは英単語を
　覚えるのにとてもいいから、これはどうですか？」
と、とても丁寧に説明してくれます。

こっちでありがちな「売れ残りを押し売りする」って
感じではなく、その商品をよく知っていて勧めているのが
とても好印象です。


そして、「釜山に来てどれくらいですか？」
なんて事を”英語で”聞いてきます。


釜山じゃ珍しい物腰のやわらかい話し方といい、英語を話せる事といい、

「ただの文房具屋のオヤジじゃない」

というオーラが出まくっているんですねぇ。


ま、そんな感じで、そのお店に行くたびに何か違和感を感じながらも、
そのアジョシが好きな私は、どうせ文房具買うならそこで買うように
していた訳です。

で、昨日、たまたま旦那と一緒にその店に行ったんですが、
その店に初めて行った旦那が、店を出るなり一言


「あのアジョシ、リストラされて大変だよな～」


って言ったんです。
もちろん、そのアジョシと何か会話した訳ではありません。


私　「え？　なんでそんな事わかるの？」

旦　「見たらすぐわかるよ。あのアジョシ、きっと今まで大きな会社で
　　　働いてたビジネスマンじゃないかなぁ。
　　　リストラされて、退職金で文房具屋開店したんだよ。きっと。
　　　あんな丁寧な話し方する人、いないじゃんこの辺で。」


やっぱりねぇ。
私もなんとなく、そんな感じしてたんだよ。


不景気のど真ん中の韓国では、最近は大きな企業でも
リストラの嵐のようです。
それで、リストラされたアジョシが家族を養うために、
少ない退職金で何かビジネスを始めるのが多いんだとか。
でも、まったく畑違いの商売で、苦労してる人も多いそうです。

言われてみればこの前、軽トラックの荷台で花を売ってたアジョシも、
花を売ってるのに、新しい保険の紹介でもしてるような話し方だったし。


みんな、この国でサバイバルするのに頑張ってるんだなぁ。
これから文房具買う時は、必ずあのアジョシの店で買おーっと。
と、誓った今日この頃です。




では、本日のパン「焼きカレーパン」　　

　　一応ダイエット中なんで、揚げずにヤキ入れてみました。
　　っていうか、チーズ乗せてる時点でダイエットもへったくれも無いけどさ。
　　もちろんカレールーは日本製ね。