この前の夜中の電話
すごくビックリしたよ
まさかあなたから掛けてくるなんて
想像もしなかった
久しぶりに聞くあなたの声は
いつもどおりのようで
少し緊張してるようでもあった
電話の向こうにいるのがあなただと分かって
どうしていいのか分からなかったんだ
勘の鋭いあなたに
動揺した心の中を悟られないように
『あなたの理想の私』のフェイクの仮面を
条件反射でつけたんだ
いつ頃からだったのかな
私はあなたに
悲しいとか苦しいとか痛いとか
そういうことを言えなくなった
私がそういう気持ちを出すことで
あなたの気分を害することが分かったから
あなたに好きになってほしいから
あなたと一緒にいたいから
だからいつもあなたの前では
あなたが望む女を演じてた
『あなたにさせられてるんじゃない
私が望んでそうしてるんだ』
そう自分に思い込ませることで
押し潰されそうになるのを必死で耐えてた
そんなことが『過去のコト』になりかける頃に
あなたは必ず連絡をしてくる
まるで自分の存在を私に忘れるなと言わんばかりに
きっとあなたは無意識なんだろうけど・・・
2人の仲が安定してた頃の話をして
その頃の私のあなたへの気持ちを掘り起こす
そして軽く突き放すようなニュアンスで
唐突に会話を終了する
たったそれだけのコトなのに
私は魔法にでもかかったかのように
あなたへの気持ちを燻らせる
そんな私の気持ちを知ってか知らずか
燻りから青白い炎に変わった頃に
誘いをかけてくる
そして自分の欲求が満たされると
私の元から去っていく
そんなことの繰り返しだった
もう私には耐えられそうになかった
だからあなたが近くにいない生活を選んだんだよ
あなたが知ってるケータイも解約した
あなたからのメールも返事を返さなかった
あなたから遠ざかることばかりを考えてた
それなのに・・・
どうしていつも絶妙のタイミングなの?
こんなに離れてるのに
まるで心の中を見透かされてるみたい
私はバカだから
何回も何回もあなたに傷つけられて
ボロボロになってしまっても
あなたの声を聞くと
同じ結果になると分かっているのに
ほんの少しの望みに賭けて
あなたのところへ飛んでいってしまう
だからお願い
1度でも私のことを
ホンキで愛してくれていたのなら
私の前にその姿を見せないで
あなたがおじいちゃんになって
私がおばあちゃんになって
昔のコトを笑って話せるようになったときに
2人で日向ぼっこしながら
お茶を啜って
『あんなこともあったよね』って
思い出話をしよう
きっとその時になったら
私はあなたの前で
仮面をつけない本当の私でいられるから