バター猫のパラドクス 1~4巻(完結)
バター猫のパラドクス1【電子書籍】[ きづきあきら+サトウナンキ ]価格:596円 (2016/9/29時点)すごく久しぶりの投稿になってしまいました。漫画は読んでいるので、書きたいことはたまっていますが、なかなか時間がとれません。。で、久しぶりの記事はこちら。「うそつきパラドクス」のスピンオフ作品です。【あらすじ】恋愛経験のない新入社員のワカメ(大和田若芽)が、同期の兼末健次郎に恋をする。しかし兼末は先輩の坂上から「大和田はビッチ」と嘘情報を吹き込まれ、すっかり信じている。ワカメは親友のアリ(鶴屋有里)と一緒に恋を頑張ろうと励ましあい、ついに兼末に告白するも、「君みたいな子は苦手」とフラれてしまう。ワカメ、アリちゃん、兼末、坂上先輩の四角関係を描くストーリー。【感想】★★★★☆(星4つ)恋愛スキルが極端に低いワカメと兼末が延々と誤解し続けて、周囲をぐちゃぐちゃに巻き込んでいくお話。あぁ、人間関係ってこうやって誤解していくのかも、と考えてしまいました。こちらの作品はちょっと極端ですけどね。(以下ネタバレ)エッチする人=結婚する人、と考えて今まで一度も男性と付き合ったことのないワカメ。かわいいし巨乳なのでモテるのに、この天然っぷりのため男性からは小悪魔と誤解されています。仕事でタッグを組んでいた坂上先輩も飲みの席でワカメに迫りますが、「結婚してくれますか?」とワカメに言われたあげく、突き飛ばされてケガをしてしまいます。坂上先輩がケガをしたため、代理となったのが兼末。以前から兼末に恋心を抱いていたワカメは、今度こそ自分を好きになってもらおうと、恋愛指南雑誌を読んで頑張ります。坂上先輩はワカメを狙っていたため、自分がケガの間に新人イケメンの兼末にワカメを取られまいと兼末に嘘情報を流します。「彼女は男関係がアレだから気をつけろ」と。兼末はイケメンのモテ男なのに、実は女性不信に陥っています。高校時代に女友達から誘惑されたのに、手を出せずに「ヘタレ」と噂されたり、大学時代の彼女を大事にしていたのに、ある日突然フラれたり……。傷つかないように自分を守ることに精いっぱいで、人と向かい合ってコミュニケーションを図るのを避けていました。兼末に振り向いてほしいワカメは積極的にアプローチし、兼末もワカメに惹かれつつありながらも「彼女は男性を弄んで楽しんでいるだけ」と言い聞かせ、ワカメからの告白も「君みたいな女の子は苦手」と断ります。ワカメは恋愛スキルが低すぎるため、告白のタイミングも間違えますし、フラれてすぐに「絶対に兼末くんのことを好きにならないから、友達になろう」と提案します。そして、兼末くんへの恋心を封印して、友達のアリちゃんと兼末をくっつけようと決心します。友達だから普通に話せる、恋愛アドバイスもデートの練習もしてあげられる、と友人関係が一番だと自分に言い聞かせるワカメ。二人のために飲み会のセッティングをしたり、デートの約束をさせたりするワカメ。兼末も自分から何もできない男だと思われたくないと、ワカメの前ではアリちゃんを好きなふりをします。そんな様子に、アリちゃんは兼末はワカメを好きだと気付き、兼末を諦めようとします。しかしワカメに「兼末くんも私たちと同じタイプの人間」と励まされ、ついにアリちゃんから告白して付き合うことに。なのにタイミング悪いワカメは、アリちゃんが兼末を諦めると聞いた翌日に、二人が付き合い始めたことを知らずに、兼末にまた告白してしまったのです。ワカメの中ではアリちゃんは諦めたと勘違いしていたのですね。動揺する兼末でしたが、ワカメの告白を誘惑と勘違いし、ホテルに連れて行ってエッチしてしまいます。遊びだと誤解しているので、かなり荒々しい感じでしちゃいます。そしていざ行ってワカメが処女だと知るのです。そこで今までのことがすべて誤解だったと気付いた兼末。そしてワカメが好きだと確信し、アリちゃんと別れてワカメと付き合うことを決意します。しかしワカメは遊びで抱かれたことに傷つき、アリちゃんを裏切ってしまった罪悪感に苛まれます。兼末はアリちゃんに別れを切り出しますが、「付き合っているふりをしよう」と兼末に提案します。アリちゃんは兼末が自分を振ったと知ったら、絶対にワカメと兼末がうまくいかないと気付いていたのです。アリちゃんは自分たちのデートにワカメを呼んで、ワカメと兼末を二人きりにしたりと切ない行動を繰り返します。しかしワカメはアリちゃんを裏切る行動を決してせずに、必死にアプローチをしてくる坂上先輩と付き合うことにします。もうワカメとうまくいくことはないと感じた兼末は、アリちゃんと本当に付き合うことに。兼末はアリちゃんとワカメを重ねながら付き合い続けます。しかしアリちゃん、処女だったのに開花しちゃって、毎晩ところ構わずで兼末を求めます(笑)。でも心が満たされないのです。そりゃそーだ、彼氏の心は自分じゃなくて親友に向いているんだから。一方、坂上先輩と付き合いだしたワカメですが、やはり性的なことは一切できません。結婚まではエッチしなくていい、と言って付き合いだした先輩も、約束を忘れてワカメを押し倒しまくります。ついに欲求不満のアリちゃんが坂上先輩を誘惑してエッチしちゃう現場をワカメに目撃されてしまいます。さらに兼末もその場に現れて修羅場に。しかし兼末が一番に怒ったのは坂上先輩に対してだったのです。ワカメを裏切るな、と。そこですべての答えを悟ったアリちゃんと坂上先輩は、二人で決着をつけろとその場を去ります。結局、二人はワカメが最初に告白したときからやり直すことにし、なんだかんだあって付き合うこととなったのでした。とにかく誤解し合っている二人を見ていても、不思議とイライラせずに、先が気になって読み進めてしまいました。4巻という長さもちょうどよかったのかもしれません。人間関係において、誤解ってこういう感じで進んでいくよな、と納得したり、恋愛下手な男女の特徴もよく描かれて、共感できる部分もたくさんありました。登場人物のそれぞれも「あ~、いるいる」と頷きながら楽しめました。アリちゃんみたいに、一回エッチして開花しちゃう子、結構いたなぁとか。兼末くんみたいに、かっこいいけど、不思議と彼女作らない子はこんな感じだったのかなとか。坂上先輩みたいに、性欲に負けちゃう男子って多いよなとか(笑)。肝となるシーンは、ワカメサイドと兼末サイドの両方が描かれているのも面白い。男と女では感じ方がこう違うんだな、と納得しちゃいました。これじゃ、自分の恋愛もうまくいかなかったのもわかるわ、的にね。絵は青年マンガっぽく胸がやたらでかくて童顔、って感じですが、そこまで激しい描写もないので、女性でも楽しめると思います。なんといっても恋愛心理の描写がとてもうまいなぁと楽しめました!にほんブログ村