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カテゴリ:読書
別冊図書館戦争2 有川 浩 著
なんだかんだと言いながら シリーズ読破である。 図書館を舞台にしている話なので、わからないこともあったり、 治安維持法時代をほうふつとさせる怖さがあったり、 かと思えば、べたあまラブラブ話になって、 肩透かしを食らわす、 なんとも巧いシリーズであった。 戦争、危機、内乱、革命、 それぞれに太い本で、げーっと思うのだが、 読み始めるとあっという間に読める。 正直、斜め読みな部分もあったりするのだが。 読ませる技量は対したもんだなぁと思うのである。 じっくり、丁寧な筆致で読ませるという文体ではない。 きっぱり、簡潔ストレート、主人公の笠原並の直球勝負な文体、 だから、私にも読めたのかもしれない。 事細かに、法令やら社会背景を書き込まれたら、 私のようなものぐさ者にはとても、読破できなかったであろう。 で、今回はシリーズ最終の別冊2、である。 これだけのキャラクターがそろっているのだ。 どれだけでも続けられるだろう。 実際、「あの人たちはどうなるのよ!?」 なんて、声もある。 私はもういいやん、って感じなのだが。 今回は私のお気に入りキャラクターの柴崎さんのお話がメイン。 彼女がエライ目に遭いまくるのだが。 読ませるツボは今回も健在。 お約束どおりのツボも心得ている。 時代劇で言うなら、お代官様が いたいけな村娘を寝所に押し込めて 帯を無理やり解いてこま回し、みたいな。 柴崎がこま回しされたわけではないが、 たとえるならそんな感じ。 ストーリー自体は相当えげつない。 吐き気すらおぼえる。 人間の闇といえば大げさなのかもしれないが、 悪気のない悪、 もっと進めば悪意を感じなくなった善人の悪。 まったく持って、意味不明なのだが、 とりあえず、悪いという感覚の喪失、 その怖さがまず第一に出てくる。 今までのシリーズの中で一番わかりやすい展開だった。 「こいつや!」と思った人が 当然のごとく、当然の手口で、悪い奴だった。 しかし、悪い奴と簡単に言い切れないなんとも 嫌な感覚。 というのも、そこらへんにいるタイプの人なのである。 そこらへんにいる人が、ふとしたきっかけで陥りそうな状況。 そんな人に、遭遇したことがない人の方が少ないだろう。 そして、自らがそうならないとも。 事件解決、大団円!、それだけでは、 さすがに、さわやかな読後感というわけに行かないだろう。 というわけで付け加えられた部分がある。 そこでやっと、報われたかなぁという気になる。 いらないといえばいらないけど、 まぁ、ここに至るプロセスだったと思えば・・・ と言えないこともないし。 満足度はそこそこ。 読んだ後、何かが残るかというと、それは微妙なので。 有川作品は、やはり「阪急電車」が一番なのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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