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みかん日和。

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2009年09月07日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
僕は運動おんち / 枡野浩一 著

僕は運動おんち

私も運動おんちである。
きっぱり、運動神経のかけらもないのである。
おんちどころの騒ぎじゃない。

どうにも気になり、買ってみた。
衝動買いである。
絵柄のあまり好きでなかった「人間失格」とともに購入。

人間失格をよぼよぼと読み切った後、
読み始めるのだが、
これまた、自殺願望のある少年の話で、
不穏なものを感じる。
いやだなぁ。

読み進むうちになんとも、不思議な感覚に包まれる。
コイツ、ワシの分身かも、と。
確かに、主人公は「彼」だし、
私は「彼女」だし。
欲望の向く方向も違う。
でも、運動神経のなさ、
人付き合いのへたくそさ、
間の悪さ、
そして、ぶつかる悩み。
高校生の私を見ているようだった。

出てくる若人たち。
器用に生きてるように見えるヤツ、
とってもおバカで、そのおバカさを認めたうえで、
付き合っている友人たちがいたり、
ピュアなハートを持ち続ける大人たちがいたり。
夢に向かって不器用に走る続ける若人と分かり合えたり、なかったり。

ハラハラドキドキは、そうそう襲ってくるわけじゃない。
でも、高校時代に味わった、
切なさが腹の中によみがえったり・・・。
友情ってもんの片思いにきゅんと来てみたり。

「人間失格」と重なるキーワードもあったりしたのであるが、
コレは、偶然だろうなぁ。
人間不信、自虐。

片方はとことん、陰気で、どん底に落ちて這い上がるか、這い上がれないかの結末。
こちらは、本人は死んじゃいたいくらい落ち込んでるが、
本当に彼のことを思う友人がいたり、教師がいたり、
なんだかんだと言っても、暖かい雰囲気で、
自身の成長もあって、前向きに未来を見つめるそんな結末がある。
ありがちな展開なのだが、
それこそありがちな高校時代を送ってきた私のハートに響いたのではないか。

欲望に忠実に生きる男子高校生的妄想も語られるのであるが、
不快に感じないのは、
主人公の彼の性格のおかげだろう・・・と言うか、作者の力量か。

結局、当初の不穏な予感は外れ、
マシンガントークのオバサマの横、
スピッツやら平井賢の歌声も聞こえないほど没頭して読みきった。
また別の本も探してみようかな。





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最終更新日  2009年09月08日 12時40分59秒
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