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みかん日和。

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2010年02月02日
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カテゴリ:読書
キケン / シアター! 有川浩 著

キケン
きけん

成南電気工科大学にある、「機械制御研究部」なるサークル。
ここは、その活動における様々な伝説や破壊的行為から、
「キケン」と称され、忌み畏れられていた。
「キケン」はまさしく、危険人物に率いられた特殊集団であり、
犯罪スレスレの「実験」を行うことすら日常であった。
これは、その黄金時代を描いた物語である。(新潮社HPより)

正直、上の文章で想像するほどの破壊行為はなかった。
危険人物には違いないのであるが、
はやみねかおるの「僕と先輩のマジカルライフ」の先輩の方が
よほど怖いのである。まぁ、似てなくもないが。
かれこれ20年前の出来事になってしまった学生時代、
サークルに打ち込んでいた自分に重なり、
ついつい、感情移入してしまった。
「キケン」に「PC研」というライバルというか「天敵」がいたように、
ワシのいたサークルにも「天敵」がいて、
こちらが文科系なくせに、がんがん体育会系だったりするに対し、
先方が敵対心むき出しの割りに、軟派なことしかしなかったり。
「天敵」から、異常な挑発を受けたりするあたりの状況が重なったりで。
こんな先輩、ほしかったっ!!と言わずにはおれなかったのである。

そして、その時期がいくら楽しくても、期間限定。
卒業のときを迎えれば、THE END。
卒業してもしばらくは、なんとか顔も出せるが、
それも、1年、2年が限界。
ついつい、足が遠のく。
ふと、そのころを懐かしく思い出したとき、
母校を訪ねたとき、
「仲間」が待っていてくれた。
あまりのうらやましさに、キューンときたのである。

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シアター!

シアター

解散の危機が迫る小劇団「シアターフラッグ」
運営方針
みんなで楽しく or プロフェッショナルに
をめぐって対立、団員がごっそり辞めちゃって、
収益がないどころか負債まで作ってしまったのである。
主宰の春川巧は、兄の司に借金をして劇団の未来を繋ぐ。

で、兄の出した借金の条件。
2年以内に300万円の収益を出せ!である。
この金額についての実感は正直わかないのであるが、
劇団員たちが、個々に悩む中身に関してはかなり共感。

声で演じる仕事としてはプロフェッショナルの新加入の団員。
古くから居る団員に対して遠慮し、
自分の居場所はあるのだろうかと悩む。
迎える側も戸惑いを感じている。
でも、お互いに苦しみながらも
認め合う努力をする。

借金を許す兄ちゃんも、これまた、苦しむ。
生活に困窮するような劇団つぶしてしまって、
弟をいわゆる全うな道に連れて行きたいのであるが、
演劇に打ち込む弟、そして、その仲間たちがまぶしくもある。
しかし、自分の居場所はそこにないと感じる。

声優として成功している新団員にしても、
兄ちゃんにしても、
団員たちにとってはもうすでに「仲間」なのだが、
それが、本人たちには届かない。
傍から見ていて、とてももどかしいのである。

□■□■□■□□■□■□■□□■□■□■□

「キケン」「シアター!」両方に感じたのは、
一緒に何かに打ち込める「仲間」がいることのうらやましさと、
そこが自分の「居場所」と思える場所があることのうらやましさ。
図書館戦争シリーズの有川さんは、
ガンガン!行け!行け!見たいな勢いで、
面白かったのだが、
最近の有川作品は、勢いはそのままに、
余韻を残す、そんな傾向??
「シアター!」は、まるっきり、大人向けといってもいいくらい。
人間の書き方がいっそう魅力的になった有川さん。
お見事!








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最終更新日  2010年02月02日 20時00分42秒
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