みかん日和。

ホント、天晴れ！
泣いちゃった。

　鈴木明子選手の楽しそうなスケーティング、
引き込まれた。
一瞬一瞬を愛しくかみ締めて滑る姿、
涙が止まらない。
昼休み中、うっかり見てしまったのであるが、
もう、一緒に見てる同僚のことなんて気にしてられないぞ、ってなくらい感動。
日本選手のプログラムの中で、
キム・ヨナ選手のプログラムに対抗できるのは、
この人のプログラムだけだったんじゃないかなと。
観客もジャッジの一員ということを考えるとまさしくそんな感じ。
楽しめる、優雅なスケーティングも堪能できる、
そして、テクニカルな面もきっちり抑えている。
鈴木選手の表現するものに、心が震える、
すごいなぁと思った。
泣いちゃってるのは、私だけじゃないけど、
ここは、お互い見ないふり。
横で目を潤ませている同僚に妙な仲間意識を感じちゃった。

言っても仕方のないことだけど、
ショートの順番しだいじゃ、
結果は変わってたなって思った。

　安藤選手のクレオパトラも、パーフェクトな感じ？
無難にまとめた風に感じたのは気のせいだろうか。
攻めてない。
確かに、きれいに滑ってる。
迫力がない。きれいだけど、迫力がない。
安藤選手の持ち味は、切れのあるスケートだと思っていたのであるが。
自分の持てるすべてをかけて勝負に出る、
それが安藤選手だと思っていたので、
ここのところの彼女のスケートは物足りない感じなのだが、
今日のも物足りなかった。
女王様チックな安藤選手に戻って欲しいのである。

衣装が、これまた、痛い感じ。
私の苦手なタイプの衣装。
今までで最悪かも。
まさしくデザインした人のカラー。
いっそ頭に蛇までつけちゃってたら、すがすがしかったのに。

　キム・ヨナ選手、まさしく別格。
正直、ジャッジの見方に「？？」な部分もあるけど、
それがなくてもパーフェクト。
美しい。
見ていても安心感がある。
時間を感じさせないのもすごい。
それこそ、自分の持っているもののすべてを
ベストの状態に持ってきて見せる。
すごい精神力である。
この人が金メダルを取るのは必然だったかもしれない。

　浅田選手もすごい。
挑む姿勢がすごい。
優しいプログラムを完璧にこなして金メダルを獲得するより、
難度の高い技に挑む、それでなければ、自分のスケートじゃない。

・・・誰かも同じこと言ってたぞ？

自分の目指す演技をきっちり貫いた。
かっこいい。
失敗は惜しかったし、
もし、失敗がなくても、キム選手に敵わなかったかもしれない。
でも、挑むことをしなくなったら、人間、成長しない気がする。
だから、メダルの色は金じゃないけど、
挑む姿勢は、間違いなく、金メダル級。

正直、わかりにくい曲で、
観客も感情移入しにくい。
そして、曲に滑る浅田選手自身にも
あの曲はまだ、早すぎる気がする。
重たすぎる。
自由と平和。
抑圧された人々の鬱屈も表現している。
開放された喜びには到達しない。
テクニックだけでは、表現しきれない部分、
もっと、大人になってたら、見せてくれてたのではないかと。


　オリンピックを見ていて思ったこと。
フィギュアスケートはどの方向に行くんだろう？
モーグルやら、スノーボードはものすごい技が次々に出てきて、
それに対する評価がきっちりされる。
なのに、フィギュアは進化に挑むことより、
芸術性が重要視される。
確かに、観客を引き込む演技力は技術も要求される。
だから、技術がないわけじゃないけど、
眼力や丁寧にそつなく滑ることのほうが優先されるってのは、どうだろう。
挑もうとする気持ちを否定される選手たちがいること、
どうにもいただけない。

ノブナリも勝つために４回転を封じた。
プルシェンコはガンガン飛んだが
ガンガン飛びまくってる間のつなぎがよろしくなかったというような評価。

勝つためにジャンプを飛ばなくてもいい、
基本の数だけパーフェクトならそれでいい。
つまらないと思うのだが。


挑むスケートをした日本の代表選手たち、天晴れなのである。
若人たちの気概を感じてうれしかったのである。

３月の世界選手権が楽しみなのである。
キム選手が更なる高みを見せてくれるか、
浅田選手が、自分のスケートを貫いて、打ち勝つのか。

もひとつ言っちゃうと、もう、来シーズンが楽しみで楽しみで。