みかん日和。

あまりにもむごい現実に目をそらしたくなる一方、
見たこともない惨状に目が釘付けになったりもする。

テレビを消すのも怖いし、見るのも怖い。
音だけ耳に入れる。
でも、淡々と語るアナウンサーの声・・・
怖い。
怖いことを言っているのに、抑揚もない。
ただ、情報として、人の死、苦悩を伝える。
彼らの仕事は、情報を伝えることだ。
情報を端的に伝える義務を果たしているだけなのだ。
でも、正直、寒気がする。

大切な家族と連絡が取れない、
生まれ育った故郷が壊滅状態、
そんな状況の同僚たちの苦悩を目の当たりにして、
私も苦しさが募っている。

連絡の取れない友人たちのことも心配。
テレビで流される映像・・・
友人の住む町を津波が襲った。
つらい。
つらすぎる。
何の因果でこんな地震に襲われなきゃいけないんだ？
天災？
そんな言葉で済ませられるもんじゃない。


チェーンメールとやらが、ワシの所にも届いた。
人の善意をおちょくった不届きなもの。

関西電力が東北電力に電力を供給することになったから、
自分たちの使う電力を節約して、そちらに回せと。

それが事実なら、
何なりと協力しよう。
テレビを消す。
暖房を我慢する。
照明も消す。

だけど、実際、それは無意味だろう。
もし、そんなことが可能だったら、
菅総理、言うだろう。
彼が言わなくても官房長官が言っただろう。
そんなこと一言もない。

可能なんだろうか？
ワシは電力業界に詳しいわけじゃない。
出来るのなら、もっと早々に対応したのではないだろうか。
原発のタンクを冷やすための電力が必要ってなとき、
早々に送電したのではないだろうか？
そもそも、電力を送る設備はつながっているのか？

関西電力のHPを見に行く。

このたびの東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に心からお見舞い申し上げます。
当社は当社名で震災に関連してお客さまにチェーンメールを送ることはございませんので、
ご注意ください。

と、ある。
チェーンメールの存在、すでに把握しているのだろう。

もっともらしく、人の良心、善意をくすぐる。
惨状を目の当たりにし、
何か手助けをしたい、
でも、現地に赴くことはできない。

ささやかなことでもできるなら、
メールを送って、みんなで、節電して、
協力できるなら、
そんな気持ちをもてあそぶ。
どこのどなたか存じ上げないが、
許しがたいのである。

このメール、２箇所から来た。
妹と上司から。
いつも冷静な二人。
その二人が煽動されるのである。
いかに、つらさに耐えているか・・・である。

ろくなことを考えない。
不安な時間だけが過ぎる。

どうか、これ以上の被害、苦しみが与えられませんように・・・。
神様がいるのなら、伏してお願いする。