みかん日和。

気がつけば、十分に歳を喰っていた。
そして、私の身の回りにいる人も歳を喰う。
歳を喰わなくても、
何が起きるかわからない。

この数年、何度も数珠を握る羽目になった。
その度に、母の数珠を借りる。

あまり使いたくないものだし、
使うものでもないけど、
私のものをもっていてもいいかもしれない、
いや、そろそろ、持っていたほうがいいか。

時折、気をつけてみていたのだが、ピンきりの数珠、
どうやって選んでいいかわからない。

通りがかりの西本願寺の前の数珠やさんに入った。
数珠やさんが繁盛しているわけもなく、
うちの母より少し、年上かな、と思われるご婦人に相談に乗っていただいた。

いろいろ勧めていただく。
安いところから勧めていただいたところが好感触。
それと、
「ピンク」を勧めてくれたトコ。
へへ。
若く見てくれてありがとう。

でも、すすめてくれていたご婦人が自分の世代にはこれとおっしゃった
ミドリのものに。
房の形が、モリゾーみたいなのじゃなくて、
丸い頭がついてて、ちょっとかわいい。

お寺に行く時は必ず、持っていきなさい、
高野山のお坊さんがおっしゃってた。
忘れなかったら、持って行くよ。

いきなり、大人な買い物をして散財。

でも、この出会い一期一会、
なんとなくそんな気がした。