書道のはな*みち　キレイな字が書けると人生はもっと美しくなる

祖父の書が出てきた。

今期、新聞社主催の展覧会に出品する作品の構想を練っていたところに、だ。

祖父はもちろん書道家ではない。
私の血筋に書道家はいない。

しかしながら、祖父がよく筆を持っていたのは知っている。
友人たちが多数来訪した際、
そのときに盛り上がった話の要点を書に認めていた。
そして、とてつもない量のお酒を呑んでいた。（笑）

祖父の書は独特だ。
書き方もとてつもなく独特で、
一本の筆を、長い竹の棒に括り付け、
それを両端で二人が持って、一緒に動かす。

二人の息があわないと書けない。 子ども心ながら、まさに息の芸術だと思った。

この作品はいつ頃に書いたものだろうか？
とうの昔に他界してしまった祖父にそれを尋ねることはできないが、
この作品の中に、私の名前の一文字「華」があることが嬉しかった。

書は、時を越えてもなお、見たものに強烈なメッセージを放つ。

筆を動かしたときに、祖父の脳裏には、
私のことがよぎっただろうか？