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カテゴリ:出来事
職員Gさんと喫煙所でよく会う。
Gさんは管理職という立場もあってか,要求される仕事量の多さもあってか, いろいろ悩むところがあるらしく,会うといつも 「いや~やっぱりあきませんわ」が口癖になっている。 そんなGさんが先日手のひらの手術をした。 数十針縫う大手術。 病休に入ったと聞いたので,たっぷり病休とって休んでくださいと思っていた。 だって, この手術自体,去年から受けると聞いていたのだが, 結局仕事を抜けられないまま,ほぼ1年延び延びになっていたわけだし。 が。 病休届け期日を完了しないうちに,Gさんは復帰した。 手術した手には包帯を巻いていた。 抜糸がすんだ頃,「こんな感じで手術したんですよ」と手のひらを見せてくれた。 手のひらをぱっくり横断・縦断している複数の大きな傷跡。 「まだこれからリハビリしていくんですけどね。 今の部署には正職員は僕しかおらへんし,休みたくても休めないんです」 とGさん。 職員のなかには, 仕事が忙しくなる監査の時期になると必ず病休を取り, ボーナス算定のための規定日には必ず復帰する ずる休みバレバレなアホアホ職員もいるというのにね。 (公務員のずる休み問題がニュースになって,今年はさすがにしていないようだが。) 個人的にはGさんに幸あれと願ってやまない。 だが,Gさんは悩みを溜め続けるばかりで, 「こんな手術したり, 仕事も立場的にしわ寄せが僕にきて…やっぱりあきませんわ」 とまた愚痴をポツリ。 Gさんに幸あれと願ってやまないが… Gさんのマイナス思考には真面目な応答だと埒が明かない。 「でも…でも…」の嵐で結局は自分の現状を違った視点から捉えることができず,だめだこりゃなのだ。 だからいっそのこと, 「Gさん,手のひらの手術をして手相変わったでしょ? だったら,これから人生変わっていくわ~。間違いないわ~」 と脳天気に言ってみた。 するとGさん, 「…そうか!そう考えたらそうですねぇ」 と,声をあげて笑った。 おお~。 とにかくGさんの気がまぎれたみたいでよかったわ。 そしてそれから。 喫煙所で会うたびにGさんは言う。 「あるじさん,人生まだ変わりませんわ」 「あるじさん,まだ良いことは起きないですわ」 「あるじさん,やっぱり変化の兆しが一向にないですね」 そんなことを言ってくるたびに 「傷跡と本来の手相がなじむには時間がかかるんですよ」 「まだ傷跡のところまで人生がきてないんやわ」 「リハビリで手を動かすことで新しい手相のルートがまだ安定していないんやわ」 と嘘八百を並べたててみた。 だが仕舞いにそれも面倒くさくなり。 「あれ?おかしいなあ。 ひょっとしてもう変わっているのに気づいていないだけなんとちがいます?」 すでに変化が起こっていることにして言ってみた。 「大きい変化はまだないかもしれないけど, 日々のなかには小さな良いことがたくさんあって, そんなささやかな変化をきっと見過ごしているんやわぁ」 するとGさん, 「あ!そうか~。確かに大きい変化ばっかり気にしてましたわ」 と足取り軽やかに職場に戻っていった。 Gさんもきっとこの手相による明るい開運嘘話に心地よさを感じていて, それで気分がまぎれているのだろう。 ただ,この手相話,いったいいつまで続けたらいい?^^; ま,いっか。 幸せは主観的なもの。 話が嘘であれ真であれ, 主観的に幸せを感じられたらそれでいいのだから。 Gさんに幸あれ!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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