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カテゴリ:へそまがり流投資手法
今回は、銘柄選択のときの落とし穴について。(私が株式投資を始めた頃の失敗を思い出しながら・・・)
株式投資を始めたばかりの頃は、世間で良く知られた会社とか、イメージの良い会社とかを選んで、買うことが多いと思うのだけど、 そのうち、色々な指標を使って銘柄を選んだほうが良いのではと思うようになる。 で、配当を重視して銘柄を選ぼうとしたときに、落とし穴になりがちなのが”配当性向”。 1.配当性向とは まず、”配当性向”とは、純利益のうちどれだけを配当に回したかの比率を%で示したもの。 配当性向 = 配当額総額/純利益×100(%)= 1株当たり配当額/1株利益×100(%) 本日のタイトルで”配当性向は低いほど良い”と書いたけど、これは、銘柄選びのある局面を想定してのことで、 一般的には、”配当性向”の解釈はケースバイケース。 例えば、企業の成長ステージで分けてみると、 成長過程でどんどん投資して事業を拡大しなければならない企業においては、配当より内部留保を厚くして企業を成長させたほうが良いだろうし、(実際、一時期、IT企業ならば無配がステータスという時代があった。) 成熟した企業で、内部留保も十分確保しているのに事業拡大のための投資余地も余り無いといった場合には、配当などの株主還元を重視していただいた方が良いかもしれない。 また、とにかく配当をもらいたいという目線で見た場合、 ”配当性向”が高いということは、企業が株主還元を重視していることの表れとして好ましいことのようにも解釈できるし、 一方、配当に余力が無く、減配のリスクが大きいとも解釈できる。 なので、”配当性向”の高低のみでは、投資先として好ましいかどうかはまるで分からないというのが実際のところだろう。 2.配当を重視しての銘柄選びの際の落とし穴 では、タイトルの”配当性向は低いほど良い”とは。 これは、配当を重視して銘柄を選ぼうとしたときの留意点。 おそらく、配当を重視して銘柄を選ぼうとしたときに、真っ先に見るのが”配当利回り”。で、好みにより優待があるかどうかとか、どんな優待かとかをチェックした後で、せっかくだから”配当性向”も見ておこうか、といった感じではないかと思う。 配当利回りや優待で甲乙つけがたい候補が複数あったときに、”配当性向”は株主還元重視の表れだから、”配当性向”が高いほうの銘柄を選んでおこうと考えるかもしれないけど、これは大間違いの可能性が高い。 配当利回りや優待で甲乙つけがたい候補が複数あったときには、”配当性向”の低い方を選んだ方が一般的には無難。 例えば、A銘柄、B銘柄があって、配当利回り・優待が同等で、配当性向に大きな差がある下のような例を想定した場合、 株価 配当 配当利回り 優待 優待含めた総合利回り 配当性向 A銘柄 1000円 30円 3% 有 5% 60% B銘柄 1000円 30円 3% 有 5% 20% これは、断然、B銘柄が魅力的。 3.種明かし 1株利益とPERを追加すれば一目瞭然。 配当性向 = 1株当たり配当額/1株利益×100(%)なので、 1株利益 = 1株当たり配当額/配当性向(%)×100 さきほどの表に1株利益とPERを追加すると、 株価 配当 配当利回り 優待 優待含めた総合利回り 配当性向 1株利益 PER A銘柄 1000円 30円 3% 有 5% 60% 50円 20倍 B銘柄 1000円 30円 3% 有 5% 20% 150円 6.7倍 A銘柄は、50円の利益のうち配当に30円、内部留保に20円を回しており、 B銘柄は、150円の利益のうち配当に30円、内部留保に120円を回していることになる。 内部留保も、配当と同じく株主のものだし、 配当を重視する立場からも、B銘柄は増配の余地が大きいのに対し、A銘柄は余裕が少なく業績悪化時の減配の懸念も大きい。 なので、こういう場合は、”配当性向は低いほど良い”。 4.PERのチェックを忘れずに 普通は、まず真っ先にPERを見ると思うので、上のようなことにはなりにくいと思うけど、 テーマ別のスクリーニングみたいな企画のときには、起こりがちな落とし穴。 ”配当性向”はなんとなく高いほうが良いのかなー、とか考えていると、そうではないことも多いかも。 かくいう私も、その昔、”配当性向”の高い企業こそ株主還元に熱心、そういう企業を選ぼう、 など浅はかな考えで、業績低迷気味な銘柄を選んでしまった苦い思い出が。。。 ところで、他にも一般的にイメージされていることと逆の効果がある指標がいくつかあるので、そのうち取り上げてみたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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