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カテゴリ:低位株
今回は、みみっちい小ネタ。
以前、超低位株-ちょっと不思議な空間-と題して、 譲渡益税の計算に使う”取得単価”の切り上げ処理について書いたのだけど、その続きのような話。 1.前回のまとめ 特定口座などで譲渡益税を徴収されるときの、譲渡益の計算について、 譲渡益 = 譲渡価額(売却金額)- 取得費(取得単価×株数) - 売却手数料 だけど、その中の、”取得単価”の計算では、実務上、単価の切り上げ処理が認められていて、大半の証券会社ではそうしている。 なので、 例えば、12円の株を10000株買って、210円の手数料が掛かりました。というケース。 取得単価は、正確には12.021円なのだけど、譲渡益の計算上は13円が取得単価ということになる。 で、譲渡益税がちょっと得になる。 以上が、前回書いた話のあらすじ。 2.複数回に分けて買うととどうなるか さっきの例は、1回買ったときの話だけど、 実際の株式取引では、同一の銘柄を複数回に分けて売ったり買ったりすることも多い。 そういうときにどうなるのか、というのが、今日の本題(やっとかいっ!) 複数回に分けて買ったときの”取得単価”は、”総平均法に準ずる方法”というので計算するということなのだが、 簡単に言うと、”平均します”ということ。 例えば、 〇月〇日 A銘柄 10000株 買い 株価12円 手数料 210円 の時点での”取得単価”は、上の例と同じで、正確には(10000株×12円+210円)/10000株=12.021円 だけど、切り上げ処理が認められているので、13円。 その後さらに、1000株を13円で追加購入し、 〇月△日 A銘柄 1000株 買い 株価13円 手数料 210円 という場合には、 ”取得単価”は、 正確には、((10000×12+210)+(1000×13+210))/(10000+1000)=12.129円 だけど、切り上げ処理が認められているので、13円。 えっ、なにも、面白いことない。 3.売ったり買ったりするとどうなるか いや、すいません。 同一の銘柄を複数回に分けて売ったり買ったりするとどうなるか、というのが本題(ようやくかいっ!)。 途中で、1回売ると、”取得単価”の計算で、さらなる簡略な計算が認められている。 要するに、1回売った時点で、それ以前の詳細な取得費用の計算過程がリセットされて、 その後の計算では、その時点の”取得単価”のみが使われる。 なので、例えば、 〇月〇日 A銘柄 10000株 買い 株価12円 手数料 210円 の時点の取得単価は12.021円を切り上げた13円。 その後、 〇月□日 A銘柄 1000株 売り と1000株だけ様子見で売却した後で、 さらに、1000株を13円で追加購入、 〇月△日 A銘柄 1000株 買い 株価13円 手数料 210円 という場合には、 ”取得単価”は、 正確には、((9000×13)+(1000×13+210))/(9000+1000)=13.021円 だけど、切り上げ処理が認められているので、14円!! ほほー、実態的には、約12.14円の”取得単価”が、簡略計算により14円。 少し、面白かったでしょう? なお、同一日に売ってから買っても、計算では買ってから売ったという手順になるようなので、こちらも、豆知識として。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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