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日本人が青色LEDでノーベル物理学賞受賞ということで、日本の科学力・技術力は大したものだという雰囲気に少しなっている。
だけど、せっかく開発したLED技術なのだけど、産業活動の面では日本のシェアが下がる一方。代わりに、量産品を中心に、韓国、台湾、そして中国の企業が伸びてきている。 これって、昔は逆だったよね。 日本人がノーベル賞なんかほとんど取ってなかった時代、 日本企業は独創性は無いけれども、欧米の製品を模倣して、生産過程での作りこみを行うことで低コスト大量生産を実現し、圧倒的な安さで世界シェアを獲得していったもの。 海外からの「舶来品」が高級品の代名詞。日本製は安かろう悪かろう。だけど、圧倒的に売れたし、利益も出て会社も伸びた。 てなことを考えながら、 「チャイニーズ・ドリーム」という本を読んだので、読後感想を。 東大社会科学研究所助教授の丸川知雄氏が、フィールド調査を中心に執筆した本で、”大衆資本主義が世界を変える”という副題が付いている。 1.中国の大衆資本主義とは 一般的に、中国は一党独裁の半ば統制経済的な資本主義、というイメージなのだけど、 実際の中国経済は、無数の小資本(個人)が商機をもとめて活動しており、そこに活力の源泉がある というのが著者の見立て。 例えば、携帯電話メーカーを例に取ると、 3000社ぐらいの会社が一気に出来て、(単なるコピー商品なんかを作っているところも多いのだけど)色々な面で切磋琢磨している。また、垂直分業が進んでいて、回路設計にしろ、各種部品にしろ、各段階の工程を専門とする企業が数多く存在、それぞれの工程での競争も激しい。 そういう競争の中で、頂点に立つ数社がシェアを伸ばし、世界に出てきている。 太陽電池にしろ自転車にしろ同じような構造。 自転車はもともとの国営企業は、行き詰まり、今は1000社ぐらいが混沌と競争している。 強いはずである。 2.チャイニーズ・ドリーム 家柄も、資産も無い普通の人が、わずかな資本を元手に会社を創業し、自らの才覚と努力と運で巨大資本家にのし上がっていく。それが、現代中国。 30年前には金持ちなんて1人もいなかった国で、桁違いの億万長者が多数。 3.感想など 成功する人は一握りなのだろうけど、ともかく誰でも夢を見られる地としての中国。少しでも条件を良くするため、精一杯の努力をする国。努力が自分の将来に直結する国。 一方の日本。ジャパニーズ・ドリームはあるのだろうか? ※中国の負の側面はたくさんあるのだろうけど、強みも見据えておかないと、ということで書いてみました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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