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カテゴリ:へそまがり流投資手法
投資ブログ巡りをしていると、最近は、個人投資家の株式投資スタイルが随分変わってきたように思う。
新高値を更新したということを目安に高値追いで購入していくとか、反落時に売却していくとか、株価の動く方向に順張りしていくような投資手法が流行している模様。 投資手法の類型の中では、株価の動きを重視するテクニカル派。 テクニカル派の投資手法が流行するのは久方ぶりではないかと思うので、今回はそのあたりのことを。 1.株式投資手法の類型 まず、おさらい的に株式投資手法の類型を大まかに整理すると、 大きくは、指標に沿った平均的な利益を確実に目指すインデックス投資派と、自分の判断で個別銘柄を選択するアクティブ投資派。 で、アクティブ投資派をさらに分類すると、株価の動きを重視するテクニカル投資派と、企業価値を重視するファンダメンタルズ投資派。 さらに、ファンダメンタルズ投資派を分類すると、現時点での企業の資産や業績を重視するバリュー投資派と、将来の企業の成長性を重視するグロース投資派。 テクニカル派にもいろんな類型があると思うけど知識がないので、とりあえず大まかにこんなところで。 また、一人の投資家が投資判断をする際にどれか1つの手法のみで判断しているわけではなく、色々な観点から総合的に判断するのが一般的だと思うので、そういう意味でも何をより重視するかというような大まかな類型。 2.個人投資家の投資手法の最近の流行 a.バリュー投資派の時代 数年前まではどうやら、ファンダメンタルズ投資派のうちバリュー投資派、またその亜流の優待投資派が主流だったように思う。 企業業績迷走・株価低迷の時代に、もっとも確からしい部分を投資判断の基礎とする感覚だったのではないか。 b.グロース投資派への移行 その後のアベノミクス以降には、バリュー投資、優待投資の流れを引きずりつつ、将来の成長性をより重視するグロース投資派に次第に移行してきたように思う。 企業業績好調・株価上昇の時代に、将来の成長を期待しても良いのではないか、また将来の成長が期待できる企業こそ投資対象として相応しいのではいかといった感覚ではないか。 c.テクニカル投資派の台頭 そして今年になって顕著になってきたのが、冒頭に触れた新高値更新など株価の動きをより重視するテクニカル投資派の台頭。 株価がさらに上昇を続け、投資家のすそ野が広がってきた時代に、より簡明に、より短期的に利益をたたき出すための手法といった感覚では。 3.テクニカル投資派の利点と弱点 テクニカル投資派の利点としては、比較的結果が早く出ることと、企業分析の知識や労力が少なくてすむことがあるのではないか。 高値を追っていくような手法なので、結果が比較的早く出てくる。 また、株価の動きをより重視する手法なので、企業分析は比較的簡単に済ませてよい。なので、最近株式投資を始めたような人でもハードルは低め。 一方、チャートが崩れた時の対処、特に経済全体または個別銘柄に何か悪いイベントがあってチャートが断絶したような時の対処は難しい。 すばやく動ければよいのだけど、動きそこなうと、もはや持っている理由の失われている含み損銘柄を抱えることにもなりかねない。 まあ、常に株価の動きをチェックし、先手先手で行動することが必須なのだろうけど。 4.感想など 私が株式投資を始めた20数年前には、自分で売買の判断をする個人投資家の多くはテクニカル重視だったように思う。当時は情報も限られているので日本伝統のローソク足と出来高の分析が中心。電子計算機の発達に伴い、移動平均線など色々なテクニカル指標が追加されていった模様。 今世紀に入っては、個人投資家が入手可能な企業の情報量も格段に増えて来たこともあり、ファンダメンタルズ重視が主流になり、テクニカル投資派はごく少数になっていたのではないか。 そういた意味では、久方ぶりのテクニカル投資派の台頭。 私にとっては、テクニカル投資はゼロサムゲーム的な感覚があるし、特に上値を追うような投資手法はマイナスサムゲームではないかと思えてならない。 また、株価の動きが気になって仕方がないだろうという気もするので、兼業投資家の私には向かないなーと思っている。 結果が出るのが遅く、派手な成果は得られないかもしれないけれども、企業価値を重視するファンダメンタルズ投資を基礎にこれからもやっていきたいと思う(といっても、低位株は別腹なのだけど)。 おそらく、ファンダメンタルズ重視の投資家が減れば減るほど、結果的にはファンダメンタルズ重視の投資が有利になるのではないかと勝手に期待している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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