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カテゴリ:チラシの裏
今週は新幹線車内で道連れ焼身自殺という衝撃的ニュースがあった。
報道によると、年金に対する不満が動機で月額12万円の年金では生活ができないとのこと。だからといって、他人を道連れにするような死に方をする道理は無く、腹立たしい限り。 ところで、相談した区議からは生活保護をもらえるかもしれないとアドバイスを受けていたらしい。35年間納付した厚生年金・国民年金より生活保護の方が水準が上回るということのようだ。 ということで、今回は、生活保護に関するボヤキのような話をチラシの裏に。 ちなみに、 (以前の日記) 〇生活保護という選択肢 1.国民年金 年金制度には詳しくないので、年金機構のWebページで調べてみた。 公的年金には、全ての人が対象の国民年金、会社勤務の人が対象の厚生年金、公務員が対象の共済年金がある。 このうち、全ての人が対象の国民年金を見てみると、 〇保険料:月額15,590円 〇受給額:40年間保険料を払った場合の65歳からの受給で、年額780,100円(月額65,008円) 70歳になるまで受給を我慢すると42%増しの、年額1,107,742円(月額92,312円) ちなみに、今回の事件の犯人は、35年間保険料を納め、国民年金と厚生年金併せて月額12万円ほどを受給していたらしい。 2.生活保護 では、一方の生活保護。こちらも詳しくないので、新宿区のWebページで調べてみた。 生活保護は、憲法で保障されている”健康で文化的な最低限度の生活を営む権利”に基づき、 世帯全体の収入が国で決めた生活保護基準に足りないときにその不足分だけが支給される制度。 で、生活保護の受給が決定した場合にいただけるのは、 〇各種扶助 生活扶助、住宅扶助、教育扶助、介護扶助、医療扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助 〇各種加算 妊産婦加算、母子加算、障害者加算、介護施設入所者加算、在宅患者加算、放射線障害者加算、児童養育加算、介護保険料加算 〇一時金 被服費、家具什器費、移送費、入学準備金、敷金・礼金 他 ちなみに、70歳以上の都内の1人暮らしとすると、生活保護基準額は 個人に必要:33,280円、世帯に必要:44,690円、住宅の家賃:53,700円以内。 これだけでも、月額13万円以上になる。 この他に各種加算や一時金もあるし、医療扶助で医療費も無償。 さらには、NHK受信料や上下水道基本料は免除。東京都の場合、都営交通の無料パスも支給。 至れり尽くせりのテンコ盛り。 3.努力を無にする生活保護制度 生活保護受給には、生活に困っている人があらゆる努力をしてもなお生活を維持できない場合、という条件がある。 あらゆる努力とは、具体的には 〇能力の活用:能力に応じて働くこと 〇資産の活用:土地・家屋、預貯金、生命保険、有価証券、貴金属、車などがあれば、売ったり解約して生活費にあてること 〇他制度の活用:年金や手当など受けられるものは手続きをとること 働いても生活保護基準を超えられないなら、わずかな勤労控除の他は収入と生活保護基準のラインの差額しか生活保護はもらえない。なので役所の担当者が納得する程度にだけ、”能力に応じ”最低限の就職活動をし最低限の労働にとどめるのが得策。 不動産や預貯金、生命保険、有価証券などは、まず売却・解約する必要がある。なので将来生活保護を受けるつもりなら蓄えることは無駄。その時その時に刹那的に消費しておくのが得策となる。 年金等を得ても生活保護基準に足りない場合、結局はその収入と生活保護基準のラインの差額しか生活保護はもらえない。なので、将来生活保護を受けるつもりなら保険料など払うだけ無駄。やはりその分を刹那的に消費しておくのが得策となる。 ようは、あらゆる努力を無にするのが生活保護の制度なのではないか。 4.今回の犯人の場合 今回の犯人は、報道のとおりなら生活保護受給の要件を満たしている可能性が高く、生活保護を申請したなら悠々自適の暮らしが出来たものと思われる。 ただし、その場合、35年間にもわたり払い続けてきた年金保険料は全く無駄だったことにもなる。食べたい物や買いたい物を我慢して払ってきたかもしれないのに、その努力は無駄で、刹那的に消費していたほうが得だったことになる。 5.日本の活力を削いでいる生活保護制度 保険料を払わないことが正しいということが言いたいのではなく、今の制度を前提とすれば老後に十分な蓄えを持てそうにない場合には年金保険料など払わないことが得になってしまうということ。 制度にあわせて、個人個人が自分の得になるように動くのはある意味当然のこと。 ”能力に応じて働き、必要に応じて受け取る”という(かつての社会主義国ですら到達できなかった)高次共産主義の理想が日本の生活保護においてのみは実現している。 しかも、生活保護受給者は年々拡大。 努力をして世の中に貢献すれば自分も報われるという社会経済発展のメカニズムが1ミリも届かない高次共産主義社会が日本の中で勢力を広げ、しかも年々拡大してきているのである。 ”最低限度の暮らし=生活保護基準”というのもかなり眉唾で、生活保護受給に伴う各種の支援措置も含めれば感覚的な暮らしぶりは全国民の平均値には達しないものの中央値(上から数えて50%)あたりにはなっているのではないだろうか。 水準を見直すことと、努力が報われるような仕組みに変えていくことを進めないと、日本の経済成長も財政再建も難しいのではないか とか思ってしまう。 このあたりの大きな票田に切り込むことは政治的に大きなリスクなのだろうけど、支持率の高いうちになんとかして欲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 4, 2015 01:37:38 PM
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