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カテゴリ:へそまがり流投資手法
昨日の日経新聞の記事によると、”日本株を投資対象とする投資信託の7割で今年の運用成績が市場平均(TOPIX)を下回る状況”とのこと。
(参考記事) 〇投信の7割、市場平均に負ける(日経新聞) 当たり前のことが、足元でも当たり前のように起こっているようなので、今回はそのあたりのことを。 1.アクティブファンドが市場平均に負けるのは当たり前 アクティブファンドが市場平均に負けるのは当たり前の現象。 理論的な背景は、投資家必読の書である「ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール著)」に書かれているように、 様々な情報は株価に反映されている(効率的市場仮説)ので、偶然以外でファンドマネージャーが市場平均を超えるリターンを出すことは出来ない。 そのため、(信託報酬が高いこともあり)多くの投資ファンドの成績は市場平均を下回り、また今後どの投資ファンドが市場平均を上回るか予想することはできない。 といったこと。 日本の場合は、(私の考えでは)米国ほど市場が成熟していないように思うので、活用可能な市場の歪みは残されているものの、ファンドマネージャーが安定的に利用可能なほどには残っていない(なぜなら、ファンドマネージャーが安定的に活用できるような歪みはすぐに修正されるはずだから)状況だろうと思う。 運用サイドから見た状況については、山崎元氏のブログが参考になる。 (山崎元「ホンネの投資教室」) 〇株式市場の「公平性」について 少し脱線するけれども、この山崎元氏は、私が参考にさせていただいているほぼ唯一のアナリスト。理論的に正しそうなことに加え、セルサイド(楽天証券所属)に位置しながらポジショントーク的な部分が皆無で常に一般投資家の利益を考えた文章を書いておられる。 といったようなことで、多数の投資信託の運用成績が市場平均を下回るのは、実に当たり前の現象。 実際に、投資信託回転売買の時代、兆円旗艦ファンドの時代、アクティブファンド衰退の時代を含め、これまで多くの投資信託が市場平均を超えて絶好調なんてことは一度もなかったように思う。 2.じゃあ、なぜ私はアクティブ運用をするのか アクティブ運用が市場平均を上回れないのなら、インデックスファンドでパッシブ運用をするのが道理。 それなのに、なぜ私は個別銘柄でアクティブ運用をするのか。 自信過剰の面が大きいのかもしれないけれども、私なりに理屈を整理すると、 まず、米国と違って、日本の株式市場は効率的市場とはなっておらず、マイナー銘柄などにはまだまだ活用可能な歪みが多く残されている と思っている。 その中で、プロ(ファンドマネージャーなど)に比べると、個人投資家はずっと恵まれた立場にいるので、プロよりは良い成果を出せるだろうとも思っている。 すなわち、 ・プロは所属する組織の投資ルールに縛られるが、個人は自由。 ・プロには説明責任があるが、個人は自由。 ・プロは投資金額が大きいのでマイナー銘柄は扱いづらいが、個人は自由。 ・投資信託運用者は換金に備え流動性を重視せざるをえないが、個人は自由。 ・優待は個人の特権。 ・情報格差は昔より格段に縮小。 3.日経新聞 きみはじつにばかだな ところで、今回の日経新聞の記事。”投信の7割が市場平均に負ける”という、ごく当たり前のことを伝えているのだけど、 どうも書いた記者はそう思っていないらしく、書き出しが変。 引用すると、 市場の「常識」が崩れつつある。日経平均株価は2万円台に駆け上がったのに、投資のプロであるファンドマネジャーは運用成績を伸ばせていない。7割の投資信託で運用成績が市場平均を下回るという異常事態だ。 どうやら、投資のプロであるファンドマネージャーは市場平均に勝つのが「常識」で、今のような7割の投信が負けているような状況は「異常事態」と認識している模様。 どうやら、投資のド素人が日経新聞の記事を書いているらしい。しかも、署名記事で。 ということで、ドラえもんの名言をプレゼントしておく。 日経新聞、きみたちはじつにばかだな お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 5, 2015 04:54:09 PM
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