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偏屈たぬきのへそまがり投資日記

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Mar 3, 2017
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カテゴリ:チラシの裏
バブル・超株高時代のアダ花的指標がQレシオならば、デフレ・超株安時代のアダ花的指標としてPEGレシオが位置づけられるのではないかと思うので、今回はそのあたりのことを。


0.Qレシオ

 本題に入る前に、まずQレシオについて。

 時は1980年代のバブル絶頂期、株価も超絶に高騰し、PERやPBRでは全く説明のつかない世界へ。

 そこで登場したのがQレシオ。当時は簿価会計の時代だったのだけど、Qレシオは会社の資産(土地とか株式とか)を時価評価し、株価と比較するという指標。簡単に言えば、時価ベースのPBR。

 Qレシオ = 株価 / 1株当たりの時価ベースの純資産

 会社の資産を時価評価するなら、Qレシオが1倍以下の銘柄は1倍まで買われてもいいじゃないかという理屈。
 バブル絶頂期には、会社の保有している土地も、持合いの株式も超絶に高騰していたため、PERなどからは説明のつかない高値の株もQレシオで見るとまだまだ割安とされるものが多かった。

 このQレシオなるもの、時価評価万能主義の今の考え方からすると、全く違和感がない。
 ただし、バブル絶頂期においては、時価評価の基礎となる地価や株価が収益還元的な観点からは全く説明が付かない高い水準だったため、結局はバブルの崩壊とともにQレシオで正当化されていた株価も崩壊。バブル崩壊とともに、Qレシオこそが株バブルを正当化した元凶とされ葬り去られた。 

 余談になるけど、時価評価万能主義で、利益ですら資産価値の増減も含めた”包括利益”なるものを登場させている国際会計基準の時代。普通に企業分析しているつもりで、バブル絶頂期のような落とし穴に嵌る可能性があるのでは。日本基準の経常利益という概念はつくづく優れものだと思う。


1.PEGレシオ

 ご存知の方が多いと思うけれど、おさらい的に。

 PEGレシオ = PER / 1株利益成長率

 PERに成長率を加味するという振れ込みで、一般にPEGレシオが1以下だと割安、2以上だと割高なのだとか。


 割安の境界線となるPEGレシオ1となるのは、例えば以下のとおり。

  1株利益成長率1%:PER1倍

  1株利益成長率5%:PER5倍

  1株利益成長率10%:PER10倍

  1株利益成長率15%:PER15倍

  1株利益成長率20%:PER20倍

  1株利益成長率50%:PER50倍

  1株利益成長率100%:PER100倍

  1株利益成長率500%:PER500倍



2.PEGレシオは相場観的な指標

 バブル期のQレシオには、少なくとも理論的にある種の正当性があったのに対し、PEGレシオには理論的な背景が無い。

 そもそも、PERを1株利益成長率で割った値に理論的な意味は無く、意味を求めるにしても相場観的な目安を示すに過ぎない。

 実際に計算しようとしてみても、成長が無いかマイナス成長の銘柄につては計測できないし、1%成長だと割安の境界線がPER1倍、2%成長だとPER2倍になるなど低成長銘柄もうまく分析できない。

 また、成長率10%と20%の違い程度、もしくは5%と10%の違い程度は外的要因で行き来する誤差の範囲なのでは。そんな誤差程度のことで株価の目安が倍・半分になる。こんな感じの指標を基に投資の判断をするのは、おっかなくないだろうか。

 さらに、高成長銘柄にしても、20%成長のPER20倍と、100%成長のPER100倍と、500%成長のPER500倍が株価水準的に等価なのか、よく分からない。また、同じ成長率にせよ、売上げの伸びと利益率の伸びのバランスが違っていれば全然評価も違うだろうに。

 PEGレシオについて私の率直な感想を言うと、ありがたいと思う人にはありがたいという、おまじないのような指標なのだろうと思う。



3.PEGレシオの守備範囲

 私の独断と偏見で見る限り、このPEGレシオの守備範囲は2つ。

 1つは、高PER銘柄を高成長ストーリーで正当化すること(個人的にはこんな危険な投資には踏み込めないけど)。


 もう1つは、5%程度以上のインフレ率・金利のある世界での通常レンジのPER銘柄の相場観を得ること。


 5%のインフレ率・金利の世界でのPEGレシオ1(割安の境界線)の銘柄だと、例えば、

 ○5%のインフレ率・金利下でのPER10倍・成長率10%:PEGレシオ1

  5%のインフレ率・金利の世界でのPER10倍(益回り10%)は、おおざっぱにいうと5%程度のゲタを履いており(仕入れて1年寝かして売るだけで5%の利益が出る感覚)、
  インフレ・金利の無い世界にあてはめるとPER20倍(益回り5%)に相当。

  同じように5%のインフレ率・金利の世界での成長率10%も、5%程度のゲタを履いており(同じ商売をしていれば1年たてば売上げ・利益が5%増える)、
  インフレ・金利の無い世界にあてはめると成長率5%に相当。

  インフレ・金利の無い世界(今の日本のような)で、PER20倍(益回り5%)、成長率5%の銘柄が割安の境界線というなら、まあ納得です(”金利0+リスクプレミアム”と考えてもまずまず。債券投資だとリスクのある社債でも利回り1%程度だったり、不動産投資だと諸費用差引前の表面利回りが5%以下で家賃の上昇もさほど見込めないような物件でも買い手がいる。というようなことと比較しても。。。)。

 ○5%のインフレ率・金利下でのPER7倍・成長率7%:PEGレシオ1

  同じようにインフレ・金利の無い世界にあてはめると、おおざっぱにPER11倍(益回り約9%)、成長率2%に相当。割安の境界線としてまずまず、というかこれはわりと安いかも。



4.バリュー投資界隈でPEGレシオが通用したデフレ・超株安時代

 こんな感じのPEGレシオなんだけど、ちょっと前のデフレ・超株安時代には、バリュー投資界隈でも通用していた。

 インフレ率マイナス・ゼロ金利にもかかわらず、以下のような感じの銘柄が、特に中小型株にゴロゴロ転がっていて見向きもされない。

 ・1株利益成長率5%・PER5倍:PEGレシオ1
 ・1株利益成長率10%・PER10倍:PEGレシオ1
 ・1株利益成長率15%・PER15倍:PEGレシオ1
 ・1株利益成長率20%・PER20倍:PEGレシオ1

 そして、上記の水準以下で株を買って、成長率が半分になるか、株価が倍になるかするともう割高との判断。そんな万全の安全地帯での投資法(だけど、それでも更に株価が下がって損をするという超絶株安地獄)。

 そんな、デフレ・超株安時代。


 
5.PEGレシオよサヨウナラ~~
 
 例えば、1株利益成長率5%・PER5倍:PEGレシオ1
 PER5倍というと益回り20%。5年分の利益で元が取れる水準で、しかもわずかだけど成長している。

 ”PEGレシオ1で割安、PEGレシオ2で割高”。こんな目安でバリュー投資ができた
ということ自体、バブル・超株高時代の対極をなすデフレ・超株安時代のなせる業なのだろう。

 最近、中小型株などは株価の水準訂正が進んできている。
 だけど、仮に、PEGレシオの計算すらできないPER15倍(益回り6.7%)、成長率0の銘柄であっても、預貯金・債券投資や不動産投資など他の運用に比べれば断然魅力的に見える。

 この指標を信奉していては、手元がキャッシュだらけになるか、もしくは高成長を囃して高PERを正当化する一攫千金的な銘柄に手を出さざるをえなくなるだろう。

 少なくともバリュー投資界隈では、PEGレシオはデフレ・超株安時代に象徴的なアダ花的指標として、別れを告げる時が来たのではないかと、買い豚の私としては思えてならない。

 PEGレシオよサヨウナラ~~。
 


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Last updated  Mar 3, 2017 08:57:32 PM
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