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カテゴリ:へそまがり流投資手法
ㅤ良識人のROE離れが加速している。
政府が6月9日に閣議決定した”未来投資戦略”にて、従来であればROEが用いられたであろう”「稼ぐ力」の強化”の指標として、ROEではなくROAが用いられたとのこと。 ということで、今回は拙ブログ定番の”ROEは役立たず”シリーズ。 (関連の日記) 〇ROEは役立たず 〇ROEは役立たず(その2) 〇ROEは役立たず(その3) 〇ROEは役立たず(その4) 〇自社株買いは愚策-ROEは役立たず(その5) 〇リキャップCB事件1-ROEは役立たず(その6) 〇リキャップCB事件2-ROEは役立たず(その7) 〇ROE教が蝕む日本の未来 1.政府の未来投資戦略 なんでも、政府の日本経済再生本部というところで”未来投資戦略2017-Society 5.0の実現に向けた改革”なる戦略を策定し、6月9日に閣議決定したとのこと。 (参考) 〇未来投資戦略2017-Society 5.0の実現に向けた改革-(官邸HP) 〇未来投資戦略2017 概要(官邸HP) 私なんかが思うには、ここに書かれた政策で日本経済が成長するのかは今一つピンとこないのだけど、 ”Ⅱ-B-3 「稼ぐ⼒」の強化”という項目で、目標として掲げる指標としてROEではなくROAを採用したことだけは良い仕事をしたと強く思う。 ROE = 純利益/自己資本×100(%) であり、 分子の純利益を増やす(=稼ぐ力の強化)という企業が目指すべき王道のほか、 分母の自己資本を減らすという裏技が有効な”まやかし指標”。 一方で、 ROA = 利益/総資産×100(%) ※利益には経常利益や純利益が用いられるけど、最近では純利益が用いられることが多い模様。 であり、 小手先のまやかし技は通用しづらく、企業の収益力を見る指標としては優れている。 2.日経新聞が政府関係者の意図を解説 この”ROEはずし”とも言える出来事について、ROE教の機関紙と化していた日経新聞が政府関係者の意図を解説した記事を載せている(日経新聞もROE教の洗脳が解けると良いのだけど。。。) (日経記事) 〇ROEは万能か? 政府成長戦略、企業の稼ぐ力に別指標「ROA」 (日経新聞) 少し引用させていただくと、 ROAとROEには密接な関係があり、ROAに負債の活用度合いを示す「財務レバレッジ」を掛け合わせるとROEになる。このため苦労して利益を増やさなくても、負債を増やしたり、自社株買いや増配で自己資本を減らしたりする財務テクニックでもROEは改善する。中には借り入れで調達したお金で自社株を買い、一気にROEを引き上げる企業もある。 日本企業は内部留保が厚く、財務レバレッジが低いと思われがちだ。実際は海外企業とほぼ変わらず、問題はROAの低さにある。ROEだけを目標にすると、低収益という最大の問題を覆い隠してしまう恐れがある。 ROEが根本的に抱えてている致命的欠陥についての的を射た指摘だと思う。 3.感想など いよいよROEの化けの皮がはがれ、企業経営で目指すべき代表的な指標の座から陥落して、単に1つの参考指標としての本来の居場所に戻る時が来つつあるのかなとも感じる出来事でした。 ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 5, 2017 06:07:59 PM
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