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カテゴリ:ポートフォリオ
ㅤ今回は、私の主力上位銘柄の中からトラスコ中山について。
相場格言に”人の行く裏に道あり花の山”というのがありますよね。成功するためには他の人と逆を行くと良いといった意味ですけど、これはビジネスにもあてはまるのではないかと思います。 今回取り上げる”トラスコ中山”は、まさにそんな会社。 1.在庫を持つ経営 トラスコ中山は、工場やオフィスで必要な工具や収納・運搬機器や事務用品など幅広く扱う卸売業の会社なのですが、 社長が、”独創経営:企業の競争力の源泉は独創力。誰もが進む道に成功の文字は無い”を掲げ、 実際に、最近の常識に逆行して”在庫を拡大”するという方向に舵を切っています。 トップメッセージを少し引用すると、 〇トップメッセージ(会社HPより) 「在庫を置けば残業が減る」と結びつける人はなかなか存在しませんが、当社の事例は立派にその因果関係を証明しています。細かい説明は省略しますが、在庫があればweb受注システムで自動処理されますが、在庫が無ければ取り寄せ作業の手動オンパレードになるということです。 「在庫は少なければ少ないほど良い」 「売れる在庫は置くが、売れない在庫は置かない」 「在庫回転率は重要な経営指標である 等々、在庫にまつわる定説は、増やすことより減らすことが重要だと常識的には考えられています。ところが、その常識に背を向けて在庫を置いてみると、残業退治の特効薬となる予想もしない結果に出くわしました。最初から想定していた訳ではなく、「品揃えの良い問屋に越したことはない」「クイックデリバリーこそ最大のサービスである」との信念を実践することにより、思いがけない副産物を生み出したのです。 「在庫回転率」という本当に些細な指数に囚われていたら、大きなチャンスを取り逃がすような気がします。製造業、卸売業、小売業、それぞれに在庫の位置づけは異なりますが、何事も常識や思い込みで判断していると、結果はすべて想定の範囲内で終わってしまうのではないでしょうか。 会社の経営戦略の中にも、 〇持続的発展のため戦略(会社HPより) 物流戦略:「物流を制する者が商流を制す」という信念のもと、2023年の在庫50万アイテム化計画に向けて物流設備を増強し、更に納品のスピードアップを図ります。 ついでに、株主総会のダイジェスト映像。 〇第54期定時株主総会 ダイジェスト映像(会社HPより) この社長、絶対”へそ曲がり”だ。世の中の風潮より自分の信念。 世の中が在庫を減らそうと動くのなら、逆に在庫を増やすことに勝機を見出す。世の中が個人情報を過度に気にするなら、逆に社員の個人情報を共有。 こういう社長、私は、好きですね。 言われてみれば、在庫って誰かが持たなきゃならない。みんなが減らそう減らそうとするなら、逆に在庫を持っていることが大きな強みになるということなのかなー、と妙に納得です。 2.正規雇用主義、ベースアップ それから、トラスコ中山は正規雇用主義を掲げ、給料を増やすことにも取り組んでるようなんですね。 会社の経営戦略の中でも、 〇持続的発展のため戦略(会社HPより) 人事戦略:企業には「所帯が持てる」「貯金が出来る」「家が持てる」給料を支払う義務があることを踏まえ、正規雇用主義を守り、働きがいのある企業づくりを行っていきます。 とあります。 一昔前の日本の会社のように、会社が1つのコミュニティとして成立しているんですね。 こういう会社が増えると、日本の景気も良くなるんだろうけどなー。 (関連の日記) 〇会社は誰のものか 〇日本型経営への郷愁-合成の誤謬からの脱却 3.足元の業績 直近、第2四半期の決算短信を見てみましょう。 〇平成29年12月期第2四半期決算短信(会社HPより) 第2四半期の決算は、増収微増益。 目に付くところでは、通期利益の下方修正をしています。 その理由が、 今後も積極的な設備投資に伴う減価償却費の増加、売上高の拡大に伴う運賃及び荷造費の増加、正社員及びパートタイマーの人員が増加したことに加え、給与のベースアップを行ったことに伴う人件費の増加などにより、販売費及び一般管理費の大幅な増加が見込まれるため、 ということで、将来につながる設備投資、人への投資のための、通期下方修正。目先の利益を極大化するのではなく、目線は会社の未来。 前向きな下方修正だと思うのだけど、下方修正をきっかけに株価は大きく下がりました。 予想PERが約18倍、PBRは1.6倍台とさほど割安感は無いものの、将来の発展を見込むとすれば十分買える水準では。 4.感想 将来につながる設備投資をしっかり行い、正規雇用主義でベースアップをする。 こういう会社の株を買うことこそが、私にとっての、社会的責任投資というものかなーとか思います。 そして、こういう、今年や来年の利益よりも、将来に渡る会社の存在意義を高めていくことを大事にする会社こそが、将来大きく業績を伸ばして株主に報いてくれるんだろうなという気もします。そうあって欲しいという、祈りのようなものですが。 ※上記は、ポジショントーク的成分満載の独断と偏見による記述。 ※投資は、損しても得しても自己責任で! ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 14, 2017 02:45:17 PM
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