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カテゴリ:へそまがり流投資手法
ㅤ2000年前後のROE主義の人たちはどこへ行ってしまったのか?
今回は、その謎解きに挑戦。 0.きっかけ 今回の日記を書くきっかけは、 前回の日記のコメント欄で、 MEANINGさんが、”10年前は誰もROEなんて重視してなかったのに”とおっしゃてるんですね。 (参考の日記、コメント欄参照) 〇脱ROEのススメ-ROEは役立たず(番外編) 〇ハゲた男は長生きするか でも私の記憶では、さらにその前、2000年前後はROE主義の人が沢山いた。 その人たちはいったいどうしちゃったのだろうか? 1.2000年前後の記憶 1990年代後半は、土地バブル崩壊に端を発する不良債権問題、バランシート不況が火を噴いた時期。 1997年には山一證券が、1998年には長銀・日債銀が経営破たん。 いわゆる”日本型経営”が完全に行き詰り、日本は自信喪失。 株式投資の世界も海外で流行の手法が席巻してました。 余談ですが、当時の感覚では、配当は悪いこと、自社株買いは良いこと。 増配・復配した企業は悪い経営判断ということで株価は下がり、 無配のくせに自社株買いはする(株価2ケタまで下がって倒産も心配されるような会社が、なけなしの資本準備金で自社株買いをして、それが賢明な経営判断とされるような摩訶不思議な時代)。 そして、2000年前後は、いわゆるITバブル。 株価は2極化。土地バブル崩壊の影響などで建設・不動産業を筆頭に重厚長大型産業や金融関連企業などのバランスシートの痛みが深刻になって、そういう ”オールドエコノミー”に属するとみなされた企業は容赦無く売り込まれ、 その一方で、ITなど新しい技術を活用するいわゆる”ニューエコノミー”が持てはやされてくる。ニューエコノミーに属するとみなされた情報セクター、電機セクターなどの銘柄は青天井で上がっていったんですね。 そのころ、私は、株式投資ブログの草分け的存在の”かぶこーネット(株式投資向上委員会)”を毎日見てそのメーリングリストにも参加していたんですけど、 情報セクター、電機セクターなどの銘柄が青天井で上がっていくには、それを正当化する理論があるものなんです。 1つはROE主義。これは、株価とのつながりがありませんので、良い銘柄はいくら株価が高騰しても、やっぱり良い銘柄であり続けるのです。 もう1つは、業種別PER。投資判断にPERを使う時には、業種別平均PERを見るべしというもの。これだと、例えば電機セクターの平均PERが60倍なら、電機セクターの株はPER60倍でも妥当な株価。一方、食品セクターの平均PERが15倍なら食品セクターの株はPER18倍でも割高。というような、現状の株価を追認するような理論。 プロっぽい人なんかは、低PER、低PBRの株を買うのは素人。高PER、高PBRの銘柄を買うのが玄人。とか言うんです。 もっとも、私なんかは、いわゆるニューエコノミー銘柄が高く高く上がっていくのを呆れて眺めつつ、オーソドックスに低PER・低PBRの銘柄、業績不振で株価が極端に安くなった銘柄を買ってましたけどね。 2.2000年前後のROE主義の人たちはどこへ行ってしまったのか? じゃあ、その頃のほぼ主流の考え方で、たくさんいたROE主義の人たちはどこへ行ってしまったのか? ここで、PBRの高低、規模の大小で銘柄を分類した東証のTOPIXスタイルインデックスシリーズに登場してもらいましょう。 (関連の日記) 〇低PBR株と高PBR株 TOPIXスタイルインデックスシリーズは、PBRの高低、規模の大小で銘柄を分類した6種類の指標。 TOPIXバリュー:低PBR群 TOPIX500バリュー:規模(時価総額)の大きな企業の中での低PBR群 TOPIXSmallバリュー:規模(時価総額)の小さな企業の中での低PBR群 TOPIXグロース:高PBR群 TOPIX500グロース:規模(時価総額)の大きな企業の中での高PBR群 TOPIXSmallグロース:規模(時価総額)の小さな企業の中での高PBR群 なお、基準日は2008年11月25日で、同日の指数はいずれも1,000。データは1999年11月1日まで遡及計算され提供されています。 この中で、2000年前後のROE主義の人たちは、きっとTOPIX500グロース(規模(時価総額)の大きな企業の中での高PBR群)に属する銘柄を中心に投資していたんだろうと思います(というか、逆にみんながこぞって買うから高PBRになるし時価総額も大きくなるんですけどね)。 ちなみに、最大手証券会社がこのころ設定した兆円ファンドも同様でした。 じゃあ、推移を見てみましょう。 TOPIX500グロースはITバブルの崩壊で3分の1以下に急落してますね。 2000年前後のROE主義の人たちは、その急落の影響で、死んでしまったか宗旨替えをしたんでしょうね、きっと。 そのROE主義氷河期を経て、MEANINGさんのおっしゃる”10年前は誰もROEなんて重視してなかったのに”になったのかなー。 3.蛇足 ちなみに、私は当時から”へそ曲がり”でしたので、無事生き残ることができ、今でも大口を叩いていられます。ありがたいことです。 ※投資は、損しても得しても自己責任で! ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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