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カテゴリ:へそまがり流投資手法
ㅤよく、若い時の資産運用はリスク資産を多めに、高齢になったらリスク資産を少なめに、というようなことが言われます。
年齢によって資産運用の仕方が違うのは変じゃないか?と、私は、ずっと思っていたのですが、最近考えが変わり、 若い時は過剰と思えるほどのリスクを取ったとしても人生の中ではたいしたリスクではないのでは、と思うようになったので、今回は”借金も財産のうち”シリーズの第4弾として、そのあたりのことを。 (関連の日記) 〇人生は有限だ-借金も財産のうち(その3) 〇住宅ローンはナゼ破綻するのか-借金も財産のうち(その2) 〇借金も財産のうち-住宅ローン編 1.自分の貸借対照表 まず、自分の資産について貸借対照表を作るとします。 普通に考えると、、、 左側の資産の部には、金融資産だとか自動車、家財道具、それから自宅を持っていれば不動産などが入ります。 一方、右側の負債の部には、奨学金とか住宅ローンとか借金をしていれば、その残額が入ります。 そして、資産の総額から負債の総額を差し引いたものが自分の純資産。 だけど、上の計算には大きな欠陥があります。 ”自分自身の価値”が含まれていないのです。 2.自分自身の価値 ”自分自身の価値”をどう見積もるか? 大雑把に言って、自分がこれから一生で得るお金から自分が消費するお金を差し引いて、それを現在の価値に割り戻す、という感じでしょうか? 交通死亡事故の際の逸失利益の計算も、こんな考え方のようです。 例えば、死亡者の年収や残りの就労年数を設定し、独身者だとその半分を自分で消費(半分が残る)、年利5%で現在の価値に割り戻し、といった感じのようです。 この”自分自身の価値”は、当然のことながら若い時ほど大きく、年を取るほど小さくなります。 例えば、大卒間近の22歳の人が、大卒平均年収の約670万円で44年間働き、その半分を自ら消費・半分を残すとして、年利3%で割り戻すと、 670万円 × 0.5 × 24.25(44年・3%のライプニッツ係数) ≒ 8100万円 同様な条件で、3割を消費し7割を残すとすると、 670万円 × 0.7 × 24.25(44年・3%のライプニッツ係数) ≒ 11400万円 ざっと、大雑把に言うと、大卒22歳の若者には約1億円の価値があるということになります。 この、”自分自身の価値”を勘定に入れると、、、 3.人生の貸借対照表 この”自分自身の価値”を計算に入れて、人生の貸借対照表を作るとすると、若い時と高齢になった時では、全然風景が違ってきます。 資産の部には、金融資産だとか自動車、家財道具、それから自宅を持っていれば不動産などが入り、それに加えて自分自身の価値。 負債の部には、奨学金とか住宅ローンとか借金をしていれば、その残額、これは上で考えた時のまま。 資産から負債を引いた純資産にも自分自身の価値が加わります。 若い時で、自分自身の価値が1億円あるとするならば、 たとえ、その時の一切合切の資産が300万円ぐらいしかなく、200万円をレバレッジを掛けてリスク資産に投資をしていたとしても、 自分自身の価値の1億円を加えてトータルで見れば、1億300万円の総資産のうち200万円ばかりを勝負しているだけで、全然リスクを取ってることにはなりませんよね(全てを失っても、全体で見ればまだ1億円残っている)。 アジアの若者のように、縁者から可能な限りの借金をして、単身異国に渡航し一旗揚げてやるぞ的なのであれば、リスクを取っていることになると思いますがね。。。 一方、高齢になってきて、”自分自身の価値”が2000万円ぐらいに減っているとすると、 その時に5000万円ぐらいの金融資産を持っていたとして、それを全てリスク資産で運用するなら、仮にレバレッジを全く掛けていないとしても、若者が200万円をレバレッジ3倍で運用するよりも遥かに大きなリスクを背負っているということになります。 4.蛇足的に 年を取るということは、”自分自身の価値”を徐々に実際の資産に置き換えていくということなんでしょうね。 わが身を振り返ってみると、もう”自分自身の価値”が随分ちいさくなっている年齢に差し掛かってきています。 ここのところ、投資金額が(好運にも)大きくなっていることと併せて、もう以前のようにレバレッジを大きくしてはダメなんだろーなと、反省。 ということで、レバレッジの抑制に一生懸命な今日この頃なのです。。。 ※投資は、損しても得しても自己責任で! ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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