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カテゴリ:へそまがり流投資手法
ㅤ私が、日本株はとてつもなく割安だと思う理由を5回に分けて書いてみるシリーズの3回目です。
※そうはいっても、私はここのところ20年ほどずっと強気の買い豚なので話半分にお付き合いいただければと思います。 3回目は、配当や株主優待を手掛かりに。 (日本株が超割安だと思う3つ目の理由) ○超低金利下で、配当・株主優待だけでも買える水準! (関連の日記) ○日本株が超割安だと思う5つの理由(その2)脱デフレ ○日本株が超割安だと思う5つの理由(その1)株式益回り 0.見方が分かれる配当・優待 私は、特に最近、配当や株主優待を少し重視するようになってきたのですが、 それでも最初に、配当や株主優待については色々な考え方があることを頭に入れておくと良いと思います。 (1)配当 極端には、配当が多かろうが少なかろうが意味はない、という考え方もあります。 利益を配当に回すかわりに内部留保して将来の会社の発展につなげていくこともできますので、ことさら配当にこだわることは無意味ということで、これも理屈にかなった考え方です。 特に成長過程にある企業では、配当よりも将来への投資を優先したほうが理にかなってますし、実際にITバブルの頃は”IT企業なら無配がステイタス”というような価値観もありました。 なので、配当利回りの高低で投資の判断を行うことに合理的な意味は無いようにも見えます。 (2)株主優待 株主優待は、配当以上に見解が分かれます。 本来、株主は平等であるべきなのに、一般的に株主優待は日本在住の個人投資家に有利にできていますので、違う立場の投資家からすれば不合理な制度ということになります。 また、株主優待のおかげで高株価を維持しているように見える銘柄もあり、合理的な株価形成を邪魔しているという見方もあります。 なので、株主優待なんて無いほうが良いし、優待につられて投資判断を行うことは合理的でないという考え方に正当性があるようにも見えます。 1.利益・資産は見解、配当・優待が現実 というようなことは押さえたうえで、それでも私は配当や株主優待は大切だと思っています。 それは、配当と株主優待が個人投資家にとってのリアルだからです。 ”利益は見解、キャッシュは現実”と言われることがあります。 これは、利益、特に短期の利益は、減損処理をいつどの程度行うのか、貸倒引当金をどの程度見込むのかなど、会社側が若干恣意的にコントロールすることが可能です。だけど、キャッシュフローは取り繕うことが出来ない数字なので、企業分析を行ううえではキャッシュフローを重視すべきだ、という考え方です。 これを、個人投資家の立場でつきつめて考えてみると、 会社の利益や資産は会社の見解であって、実際とはズレているかもしれません(極端なケースでは、東芝やオリンパスのようなことも実際にあります)。 投資の見返りとして個人投資家の手元に来るのは、配当と株主優待なのです。それが個人投資家にとってのキャッシュフロー。 利益・資産は見解、配当・優待が現実 また、単純に考えれば、株式会社は投資家から資金を集めて、事業をして利益を上げて、株主に配当をする、というのが基本の成り立ちです。 ですので、最終的には配当なんです。 いくら利益や資産が計上されていても、自社株買いで発行株式数を減らしても、それは途中経過にすぎません。 なので、配当や株主優待は大切、私はそう思います。 2.現状の配当利回り では、現状の配当利回りはどうなっているのか見てみましょう。 10月23日現在で下のとおりです。 (出典)日経新聞社Webページ 日経平均の予想配当利回りは2%を超えています。 今は、短期国債はマイナス金利、40年国債でも利回り1%程度なんです。 仮に、この2%の配当利回りが将来的にも安定したものであれば、それだけで株価の説明が付きそうです。 では、過去からの配当の推移を見てみましょう。 年間の配当を累積していく”日経平均配当指数”の推移は以下のとおりです。 (出典)日経新聞社Webページ 日経平均の配当は過去最高を毎年更新し、絶好調です。 さらにさかのぼると、 (出典)ニッセイ基礎研究所 ここで、特徴的なのは、2008年9月以降のリーマンショックの時のことです。 企業業績は壊滅的に悪化しましたが、配当の方は3割程度下がっただけでした。 どうやら、日本企業の配当は経済・企業経営が順調であれば徐々に増額されて行き、経済・企業経営が悪化しても比較的下支えされた状況です。 なんだか、日本企業の配当には将来的にも期待して良いように、私は感じます。 そうであれば、日本株は断然お買い得ですね。 配当利回りで株が買えるなんて、私が株に出会ったバブル期には想像もできませんでした。夢のようです。 3.そして株主優待 株主優待は企業によりけりです。 1部昇格に向けた株主増加策のような会社の優待は、昇格後も長続きするかは不安です。 また、明らかに大盤振る舞いすぎるだろうというような会社も、永続性は疑問です。 一方、鉄道・航空などインフラ系の会社の優待や、小売・飲食系の会社の販促を兼ねたような節度ある商品券・割引券などは、長続きしそうな感じもします。 仮に未来永劫続きそうな優待の優待利回りが1%もあれば、個人投資家から見ればそれだけで株価の半分程度の理由になりそうにも思います。 で、個人投資家が株価の制空権を握っているようなマイナー銘柄は株主優待の内容に株価が敏感に反応し、 機関投資家が株価の制空権を握っているような主要銘柄では株主優待では株価は動かない、 こんな感じになっているようです。 いずれにせよ、株主優待があることで、個人投資家は機関投資家より有利な立場で投資ができます。 こんな風に、個人が機関より有利になる投資分野なんて他にありますか? 不動産にしろ、債券にしろ、プロが圧倒的に有利で、個人投資家はプロがサヤを抜いた後のものを手にしているのが実態ではないでしょうか(もちろん凄腕の個人も居るには居るでしょうが)。 繰り返しますが、個人がプロと同等以上に立ち回れるのが株式投資です。ことに、日本株の個別投資です。 ありがたいことです。 4.蛇足 株主優待は不合理なものだとされることが多いです。 だけど、本当にそうでしょうか? 私は、一部の節度の無い会社を除けば、株主優待というのは非常に合理的だと思います。 ・投資の見返りとしての現物支給の観点 ・販売促進の観点 ・IRの代替としての観点 ・株価対策の観点 ちょっと、今回は詳しく書く時間がありませんので、いずれ整理してみたいと思います。 ※同様の分野のランキング。優良ブログが見つかるかも。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Oct 25, 2018 06:14:53 AM
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